警視庁の働き方改革の一環で作られた臨時部隊「警視庁刑事部・第4機動捜査隊」は、覆面パトカーで地域をパトロールしながら、110番通報があれば事件現場に急行して迅速に初動捜査を行うほか、捜査1課などほかの部署の捜査に参加することもある。
その第4機捜に所属する巡査部長・伊吹藍(綾野剛)は機動力と運動神経はピカイチだが、刑事の常識に欠けていて、事あるごとに暴走するのが欠点だ。コンビを組む巡査部長・志摩一未(星野源)は伊吹とは対称的に、観察眼に長けた沈着冷静な刑事だ。
隣を走る車から女性がしきりに目を合わせてくる
伊吹と志摩が第4機捜404号車でパトロールをしていると、隣を走る車から女性がしきりに目を合わせてくることに伊吹が気づいた。運転している男の様子もおかしい。そのとき、殺人事件の容疑者が凶器のナイフを持って逃走しているとの無線が入る。併走する車に容疑者が乗っていると直感した伊吹は、第4機捜隊長・桔梗ゆづる(麻生久美子)に連絡し、その車を追跡の許可を得た。
一方、その殺人事件のハウスクリーニング会社の専務が胸を刺されて殺された現場で初動捜査にあたった第4機捜401号車の警部補・陣馬耕平(橋本じゅん)と相棒の警部補・九重世人(岡田健史)は、第一発見者から加々見崇(松下洸平)という社員が凶器と見られるナイフを持って逃走したと知らされた。
だが、陣馬は、遺体周辺には血まみれの掌紋がベタベタとついているにも関わらず、加々見が飛び出したという部屋のドアノブには血が付着していなかったことに引っかかっていた。
伊吹らは疑惑の車に横付けして話を聞こうとしたが、田辺将司(鶴見辰吾)と後部座席の妻・早苗(池津祥子)は、曖昧な態度を見せる。伊吹の推測通り、加々見が早苗の背後からナイフを突きつけて「余計なことをしゃべったら殺す」と脅していたのだ。
志摩らは「走る人質監禁立てこもり事件」と見立て、慎重に様子を伺う。田辺と加々見が公衆トイレに入った際、伊吹と志摩が加々見を取り押さえようとしたところ、夫婦で伊吹と志摩の邪魔をして加々見を逃がしてしまった。夫婦は加々見から事件の真相を聞かされ、加々見を助けようとしたのだ。「加々見はどうして逃げてるんだ?」と問いかける志摩に、伊吹は「無実を証明するために決まってるだろ」と笑って答える。
伊吹の言う通り、加々見はただ逃走しているのではなく、新犯人を追っているのだった!殺人事件を解決する過程で、かつて警視庁捜査一課のエリート刑事だった志摩が、所轄勤務に異動させられるきっかけとなった過去の悲しい出来事も明らかになる。(よる10時放送)
寒山