東京都はきょう1日(2020年7月)から新型コロナウイルス対策の新たなモニタリング指標をスタートさせた。これまでの項目に加え、東京消防庁に寄せられた発熱などの相談件数、医療機関への搬送先が見つからない件数などが盛り込まれたが、数値基準は設けず、専門家会議を週1回開催し、前週と比較分析しながら対応する。
きのう6月30日時点の数値を当てはめると、新規陽性者数(50人以上)は55.1人、新規陽性者の感染経路不明率(50%)は50%で基準を超えている。新指標では基準数値を設けていないため、休業要請や東京アラートは出ない。基準の数値を設けなかった理由について、小池百合子都知事は「数字に届いたらスイッチをオン・オフするかではなく、全体像を捉えるのが今回の考え方」と説明した。
休業要請の根拠もあいまい
司会の羽鳥慎一「数字が出てこない。ここがポイントですね」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「週1回、専門家会議で協議するといっていますが、数値がないのに何を根拠に判断するのか、誰が最終的に責任を持つのか、あいまいになりますね。休業再要請する場合も、基準値がないと、なかなか納得してもらえないという問題もあります」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「数値は出ないと思っていましたが、恣意的な運用をさせないために、基準が必要なんです。逆にいえば、数値基準を設けなかったのは、恣意的な運用をやりますといっていることと等しいんです。その裏には、休業要請を出せないということがあります。休業要請は補償とセットにしなければなりませんが、補償ができない以上、休業要請もできない。となれば、恣意的な運用にせざるを得ない。そのためには基準をつくれない、ということではありませんか」
羽鳥「基準がないと、お店や私たちに対しても説得感が足りなくなってきますね」