死んだわが子に会うVR――アバターの娘とおしゃべりしながらバースデーケーキに火をつける母親に涙出た
あなたは、亡くなった自分の子供にVR(バーチャル・リアリティー)の世界でなら会える、といわれたらどうするだろうか。韓国のMBCが、2016年に病気で亡くなった幼い娘とVRで再会を果たした母親の姿をドキュメンタリーにして、『ミーティング・ユー』として放映され、話題になったとニューズウイークが報じている。
そのビデオクリップはYouTubeでも見られ、2000万回以上再生されている。私も見てみた。生存していた時の娘の映像や写真も出ている。VRに出て来る娘はそっくりとまではいかないがよく似ている。あまりリアル過ぎてもよくないと、このドキュメンタリーの監督がいってる。
娘と出逢い、話をかわし、バースデーケーキのロウソクに火をつける。母親が、娘と会えたらどんなことを望んでいるのかを何度も話をし、つくり上げていったそうだ。私は単純だから、見ていて涙したが、死者をアバターとしてよみがえらせる倫理的な問題や、個人情報の収集と処理についてなど、意外に批判的な反応が多かったという。
私だったら、2年前に亡くなった愛犬にもう一度会ってみたいな。技術の進歩で、こうした試みは増えていくのだろう。だが、VRから出てしまえば、一瞬にして夢になってしまう。それを考えると複雑な心境だが、寝るとき以外は機器を外さないでいれば、ずっとその世界に浸っていられる。最高の、そして最良の現実逃避にツールになるのではないか。(文中敬称略)