兵庫・丹波篠山市で、町議会の元議員の男性が川を勝手に埋め立て、植樹してトラブルになっている。周辺住民は川幅が狭くなり水が流れにくくなったことで、水害が発生することを心配し、行政に相談しているが元町議は応じようとしない。
元町議が黒岡川に砂利や石を運び、重機で約1キロにわたり埋め立てはじめたのは議員を辞めた20年前くらいのことで、埋め立てては植樹し、電線も切断した。元町議はこうしたことを「蛍のため」と言っていて、電線切断も防犯用電灯の明かりで蛍が見えないから、夜に明かりが漏れている家の玄関などの電球を勝手に外してしまうこともあったという。
撤去費用600万円は住民の税金
行政の許可なく川を埋め立てるのは「河川法違反」で、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。今年2月(2020年)、兵庫県は住民からの訴えを受け、植物の伐採に着手したが、男性は測量に来た職員にくってかかり、撤去した植木鉢を川に戻すなどの妨害を続けている。男性は「勝手にどかしたから、私が元の場所に戻した。誰に断って人様のものをいじくっているのか。損害賠償ものだ」と開き直る。
樹木伐採費用約600万円は県の予算で行うが、「河川環境の悪化がすべて男性の行為によるものか判断できないため費用請求は困難」だという。吉永みち子(作家)は「行政は慎重すぎますよ。個人が自宅にゴミをためる迷惑とはレベルが違います。川を埋めるなんてことをみんながやり始めたら、大変なことになる。最初にちゃんと対応せず、20年間放置した結果、伐採費用が600万円になったともいえるわけで、不作為の作為ではないが、行政にも(黙認してきた)責任がありますよね」
司会の羽鳥慎一は「対応が難しい部分はあったのかもしれませんけど、もう少し早めに対応しなければいけなかったですね」