音楽学校を優秀な成績で卒業したものの、鳴かず飛ばずで、歌手デビューもできない佐藤久志(山崎育三郎)は、幼なじみの古山裕一(窪田正孝)にすすめられて、コロンブスレコードの専属新人歌手募集のオーディションに応募することにして、大いに張り切っている。裕一も作曲そっちのけで、おせっかいを焼いていた。
コロンブスレコードのオフィスで、佐藤が履歴書を提出していると、ディレクターの廿日市誉(古田新太)が現れた。裕一はさっそく佐藤を紹介した。「友人の佐藤久志です。声楽科出身の有望人材です。ぜひ、よろしくお願いいいたします」
でも、こんな時の廿日市冷たい。「落ちても恨みっこなしだよ」
「スター御手洗です」「プリンス佐藤と呼ばれています」
そのころ、古山音(二階堂ふみ)が自宅隣の喫茶「バンブー」にいると、少女時代の声楽の先生、御手洗清太郎(古川雄大)が突然は現れた。音がびっくりしていると、「コロンブスレコードのオーディションを受けにきたの。スター御手洗と呼んでちょうだい」なんて言う。
音「でも、どうして今ごろになって?」
御手洗「私、最後のチャンスにかけてみたいの。それで戦略を練るために、裕一さんとお話したいの」
偶然にも、そこへ裕一と佐藤がやってきた。御手洗と佐藤はお互いに値踏みするような視線を交わし、挨拶する。「どうも、スター御手洗です」「プリンス佐藤と呼ばれています」
2人は早くもライバル意識をむき出しだ。裕一と音は、そんな2人を複雑な思いで見守る。オーディションには800通もの応募があり、佐藤と御手洗は書類選考を通過した。
(NHK総合あさ8時)