もう東京都の「貯金」は底をついた。都知事選の争点は五輪開催の是非から逃げるな

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   6月20~21日(2020年)、東京都知事選公示後の初の週末を迎え、各候補が街頭で演説した。新型コロナ対策で1兆円を超える予算をつけた東京都は「都の普通預金」に相当する財政調整基金を大きく減らした。元東京副知事の青山?(やすし)氏は「4月に新年度が始まり、6月時点で1兆円を越える補正予算はこれまでにない。新型コロナに対応するためにはやむを得ないが、非常に珍しいケース」と話す。

   財政調整基金は、1990年代後半はほぼなかったが、2000年に入って増え始め、2019年時点では9345億円に。しかし、現在は493億円にまで減少した。産経新聞によると、都関係者は「財政が逼迫し、第2波、第3波への対応はこれまで以上に難易度が高くなる」としている。まさに「やりくりを考えなければならない状況」(青山氏)だ。

「ひどい家に嫁に来た」と嘆いた石原慎太郎元都知事

   石原良純(タレント)は「補正予算を組めばこうなるのは当たり前だが、数字を見せられると都民としてはビックリする」

   山口真由(弁護士)「今後は税収も減ってくる。来年、再来年を見越して柔軟に予算を組む必要がある」

   東京の貯金は1998年度末には、長引くバブル崩壊後の不況で484億円しかなかった。99年に就任した石原慎太郎元都知事が、緊縮財政で福祉事業を見直し、都職員給与の4%カットなどを実施して立て直した。石原元知事は当時「自分の就任時に都が財政再建団体に転落したら恥ずかしい」と語っていたという。青山氏は当時を「石原元知事に都財政について説明したら、『ひどい家に嫁に来た』と言われた」と振り返る。

   石原良純「当時と今は違う。今またやるのは難しい」

   山口真由「財政健全度合いがトップレベルな東京で、かつてこういうことがあったのは驚き。貯金はなくなったが貯金でできていたことは非常に立派なこと。国の財政もこういうやり方を見習うべきだった」

   玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「緊縮財政は必要。民間の給与に対し都の公務員給与は100を超えている。民間がさらに下がれば都職員の給与も下げざるを得ない」

   青山氏によると、「都の税収は景気に左右されやすい。企業からの税金に依存しており、経済が活性化しないと税収が増えない」という。新型コロナウイルスの影響で税収は減る見込みにあり、都財政は非常に厳しい状況になる。予算の観点からいえば都知事選の争点になるのが東京五輪だ。延期によって、会場レンタル費、選手強化費、職員人件費など負担は増える。中止になればチケットの払い戻しに約900億円かかるとされる。

   石原「東京五輪が都知事選の判断材料になることは間違いない」

   山口「投票者は注目すべき」

   玉川「東京五輪は"やるか、やらないか"ではなく、"やれるか、やれないか"だ。決定を先延ばしすることで出ていくお金もあるので、来年3月より前に決めるべき」

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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