東京の下町・浅草で生まれ育った人情派弁護士・梶原藤子(松下由樹)が、弁護士会から派遣される「当番弁護士」として難事件の真相を明らかにする小杉健治原作の痛快サスペンス。
レインボーブリッジに近い日の出ふ頭の湾岸倉庫で、IT企業社長・城山錦司(羽場裕一)の刺殺死体が発見され、現場から車で走り去った無職・大木悟(荒川良々)が容疑者として逮捕される。当番弁護士を依頼された梶原が接見するが、大木は「城山とは面識はない」と容疑を否認する一方、肝心なことを語ろうとしない。何かを隠しているのは明らかだ。大木の妻・聡美から懇願された梶原は、悩んだ末に弁護を引き受けた。
殺されたIT企業家は女性を薬物中毒にして暴行していた
そんな折、梶原は実家の喫茶「初音」の常連客で編集者・高林信介(中村俊介)から、殺された城山が異常なまでの女好きで、女性を薬物中毒にしては暴行まがいの行為をしていたことを知らされる。高林が担当する雑誌で「スキャンダルまみれのIT企業家」と城山を糾弾したこともあった。
梶原が城山を恨んでいる人物を探ろうと独自の調査を始めた矢先、今度は同期の検事・村川泰江(南野陽子)から、大木と城山は学生時代からの知り合いだったと告げられた。大木が城山から借金をしていたことも判明する。弁護士にまで嘘をついていた大木の容疑はますます深まった。
それでも梶原は高林とともに、城山が多くの女性をナンパしていたスポーツジムに聞き込みに行く。ジムでは三か月前、職員の笹倉由美(美音)が自殺していたことが分かった。
その後、大木は接見室で腹痛を訴え、警察病院に護送される途中で逃走してしまう。そしてその夜、城山の子分だったジムのマネージャー・鬼塚辰夫が何者かに殺された。鬼塚のスマホには、城山が若い女性を暴行する動画とともに、大木がドッグフードを食べさせられる動画が収められていた。
ますます大木の疑いが深まる中、梶原が大木を見つけ出して連れ戻した後に、新たな殺人事件が起こった。殺されたのは、自殺した笹倉由美の父親の友人・加山俊一だった。この3件が連続殺人事件だとしたら、犯人は大木のほかにいることになる。殺された3人をつなぐ糸を手繰っていくと、驚くべき事実が待っていた...(よる8時放送)
寒山