コロナ対策という名の「安倍失政ゴマカシのばらまき」!ツケは年寄りの老後資金かすめ取りかよ

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   「貯金税」とは預金残高に対して一定の割合で課税する税のことだそうだ。安倍政権が、コロナ対策で大盤振る舞い(形だけだが)したカネを取り戻そうと、新しい増税をやってくると週刊現代が報じている。4月(2020年)に成立した第1次補正予算と6月12日に成立した第2次を合わせると約60兆円(真水部分だけ)になる。当然、これはすべてが税金だが、法人税や消費税などの税収が落ち込んでいるため、下手をすると来年度の予算さえ組めないという事態になるかもしれない。

   そこで、政府と財務省の木っ端役人どもが企んでいるのが、年寄りたちが貯めこんでいる老後資金をかすめ取る算段だというのである。現在、個人が保有する金融資産の総額は約1900兆円といわれる。そのうち預貯金は1000兆円程度で、その6~7割を60代以上が保有しているそうだ。

   そのカネをかすめ取ろうというのだが、そのためには、あのバカバカしいマイナンバーと銀行口座の紐付けをしなくてはいけないが、悪名高いマイナンバーは、安倍がいくら旗を振っても普及していない。自分の貯金まで国に知られたくないというのは当然のことだ。そもそも、たかだか10万円程度のはした金で、国民を助けてやったなどといわれたくない。でも、安倍の傀儡である高市総務大臣が6月9日、マイナンバーと銀行口座の紐付けの「義務化」を進めていくといい出しやがった。敵は本気だぞ。

   「コロナ復興税」、県をまたぐ電車や高速道路の利用料金に上乗せする「移動税」(江戸時代の関所のようだ)、死んだときに、相続税とは別に消費税10%を徴収する「死亡消費税」など、次々に増税を仕掛けてくるというのである。こっちのほうが新型コロナウイルスよりナンボか怖いな。

政商「電通」「パソナ」金と美人接待で政治家の弱み握って安倍内閣思いのまま

   いま、国民の怒りが2つの企業に集まっている。政府や官僚とつるんでコロナ対策費の中抜きをしている電通と、人材派遣会社のパソナである。中小企業庁長官・前田泰宏と元電通の平川健司との癒着構造を明るみに出した週刊文春が、テキサスでの「前田ハウス」は前田が自らアパートを借り上げ、1人21万円の宿泊費+パーティ代を集金していた「証拠音声」があるとスクープしている。

   国会で、参加者の一人として「前田ハウス」に宿泊していたという前田の説明が、真っ赤なウソだったことを立証したのである。2017年2月のテキサス旅行前、前田が民間業者に電話で「泊まるとこなかったんでね、アパート貸し切ったんです」と話しているのだ。

   さらに週刊文春は、電通が「秘密の間柄」である下請け会社にある指令を出していたと報じている。要約すると、コロナ支援対策の家賃補助の給付事業に博報堂が受注の可能性があるので、電通傘下の会社が博報堂の受託事業に協力した場合、給付金、補助金のノウハウを流失したととらえ、「出禁レベルの対応をする」から、「強制的にお願いする」というのだ。

   まるで江戸時代、城主が物乞いに命令するようなやり方である。こんな会社がのさばっているこの国は、民主国家ではない。週刊文春よ、「日本をダメにした電通というタブーを斬る」という特集をやってくれないかな。

   週刊新潮は、電通と並んでコロナ禍で潤っているパソナに切り込んでいる。現在、経済産業副大臣を務める松本洋平代議士の結婚式に、パソナの南部靖之代表が出席していたところから始まる。経産省と電通の関係が取り沙汰されている「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」には、パソナの関係者も名を連ね、パソナにも外注されていた。

   コロナでようやく名前を知られた西村康稔経済再生担当大臣とも昵懇で、南部のVIP招待サロン「仁風林」にも西村は招待されていたという。ここは歌手のASKAが出入りしていて、パソナの美人秘書を愛人にしていたことでも知られる。

   パソナをここまで大きくした最大の功労者は、小泉純一郎政権で、聖域なき構造改革の美名のもと、グローバリズムを無条件に礼賛し、製造業の派遣労働を解禁した竹中平蔵元経済財政担当大臣である。この男、口入稼業大繁盛で業績を伸ばしたパソナに、あろうことか、会長として入り込んだのである。安倍首相も真っ青の厚顔無恥ぶりに、吐き気を覚える。

   竹中は、国民すべてを豊かにする立場なのに、一企業を優遇し、そこで儲けたカネにたかったのである。トランプ大統領だってここまではやらない。一部のメディアは、安倍政権が電通やパソナを優遇し、自分たちもおいしい汁を吸っていると書いているが、実態はそうではあるまい。電通やパソナが、カネや接待攻勢で政治家の弱みを握り、彼らがこの国の利益や権利を壟断していると、私は考えている。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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