警視庁刑事部特別捜査班の班長・国木田誠二(中村梅雀)は、差出人に見覚えのある自分宛の封書を見つけた。手紙を読んだ国木田は、珍しく慌てた様子でどこかに出かけていった。
特捜班主任の警部・浅輪直樹(井ノ原快彦)に、監察医務院に出向いていた新藤亮(山田裕貴)から電話がかかってきた。監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が首吊り自殺したとされる女性に他殺の疑いがあるのに、所轄署が自殺と決めつけ、早瀬川の言うことに耳を貸さないと訴えていた。
女性の遺体の口紅は他人が塗ったようにはみ出していた
早瀬川は遺体の口紅が自身で塗ったとは思えないほど雑にはみ出しており、誰かが後から塗った可能性があるという。さらに、前歯に本人のものではない微量の血液が付着していた。
浅輪はその女性が元警察官・竹内沙織(竹内恵美)と知さられ、激しく動揺した。竹内は浅輪の所轄署時代の先輩・門脇健司(橋本さとし)の元不倫相手だった。今ではテレビの人気コメンテーターとなっている門脇が警察を辞めざるを得なかったのも、既婚者の門脇と竹内との仲が公になったからだった。
青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)はかつて竹内が勤務していた所轄署を訪ねると、不倫発覚後に竹内を気遣っていた上司がいたことが分かった。その上司こそが国木田だった。
浅輪たちが門脇に聞くと、門脇は彼女とは10年以上会っていないと証言する。しかし、竹内に交際を迫って彼女のアパート周辺をうろついていた和田孝雄(おおたけこういち)は、門脇が彼女の部屋を訪れ、ドアの隙間から中を覗いていたと明かし、スマホで撮影した証拠の画像も見せる。
一方、特捜班の村瀬健吾(津田寛治)が「班長が自分から動き出すのは初めてじゃないか?」といぶかる中、国木田は自ら捜査に乗り出し、「少しお時間をよろしいでしょうか?」と、携帯電話でとある人物を呼び出す。これまでベールに包まれていた国木田の過去が徐々に明らかになっていき、特捜班に異動してきた理由も見えてくる。(よる9時放送)
寒山