世界でコロナ感染拡大が止まらない中、いまだに感染者ゼロだと主張しているのが北朝鮮。「ウソだろう」という世界の見方に、北朝鮮はユーチューブを使った大々的なイメージ回復戦略に乗り出している。
番組で「北朝鮮ユーチューバー」たちの動画をいくつか紹介したが、当局のヤラセ感たっぷりの内容はあきれるほどだ。
ユーチューバーの一人、女子大生というウンアさんの動画は英語で「真実か嘘か」とタイトルがつけられ、西側メディアの報道を独自取材で検証する内容。整然と商品がそろっているデパートの食品売り場で買い物客や店員にインタビューし、「我が国の物価が高くなるわけはありません」「商品にも十分な在庫があります」という答えばかり。
ピアノ、空気清浄機、大型水槽があふれる富裕層の豪邸
ほかにもコロナ予防対策でも報告動画をアップ。中国との往来する列車や航空便の運航停止やバスや地下鉄でも乗客を減らしていること、百貨店では検温しマスク着用が義務化されていることなどを報告した。
コロナがきっかけでユーチューブデビューしたというリ・スジンちゃん(7歳)は4月から「リ・スジンの一人テレビ」と題し、家で過ごす様子を投稿。2月から休校になっていたが、お母さんが入学に備えて新しい鞄を買う様子、再開された学校でマスクをして授業を受ける様子もある。家にはピアノ、空気清浄機、大型水槽などが映り、富裕層で余裕のある暮らしぶりをアピール。
東京新聞の五味洋治論説委員は「一般の人が市内の撮影はできないはず。政府機関がやっているとしか思えない」という。
キャスターの立川志らく「ユーチューバーじゃなくて政府の人なんでしょ」
山田ルイ53世(芸人・作家)「横田滋さんが亡くなった直後でもあり、それ以前の問題ですね」
伊沢拓司(WEBメディア運営会社代表)「ユーチューブを含めた動画が若者にとっての一番の情報源になっているという認識があり、ここで印象を植え付けたいのでしょう」
五味論説委員は「世界の若い世代に影響を与え観光客を誘致し、観光で国を成り立たせたいという考えがあるのでは」と金正恩委員長の思惑を語る。
やらせバレバレ。でも、信じてしまう人も出てこないか心配だ。
文・ムギ