北アルプスの玄関口、長野・上高地で今年4月(2020年)から群発地震が発生していて、落石や土砂崩れが続いている。明神岳の山肌には落石が削った跡がくっきりと刻まれ、遊歩道の脇の木もなぎ倒された。
先月29日(2020年5月)にも地震があり、大規模な崩落と雪崩が発生した。茶色い土砂が雪を巻き上げながらすべるように斜面を落ちていく様子を撮影した「涸沢ヒュッテ」支配人の小林剛さんは、「(地震の)2、3秒後に岩山が3方向に分かれて崩れてきました。最初、石が割れるような甲高い音がして、それがドドドドという音になった」と話す。上高地周辺は登山自粛だ。
もともと近くの薄いエリア
地震の調査を行っている信州大の大塚勉教授は、「落石は最も大規模なもので長さが約5.6メートル、推定で重さは80トンを超えるものもあります。最大で200メートル以上高いところから落ちてきていて、それによって道路の擁壁が破壊されている場所もありました」と報告する。
長野・岐阜県境付近を震源とする地震(震度1以上)は、今年4月22日から5月29日までの間に160回も発生している。大塚教授は「地殻の中は薄い部分や分厚い部分があり、不均一です。上高地は地殻が薄く、力を受けた場合にひずみが集中して、たくさん割れ目ができやすいという環境にあります」と原因を説明する。
司会の小倉智昭「さっきの映像を見ると、もう土石流ですよね。ヒュッテや高地にあるホテルの人たちは心配ですね」
大川立樹アナウンサー「今回取材した山小屋の方によりますと、4月末から営業開始の予定でしたが、今年はまだ営業できていないそうです」