昭和8年1月、娘の華が生まれて4か月。古山裕一(窪田正孝)は作曲よりも娘に夢中で、音(二階堂ふみ)は炊事・洗濯や育児に追われている。「祐一さん、華は私に任せて、仕事してください。締め切り近いでしょ。廿日市さんにせっつかれても知らんよ」
裕一「大丈夫、大丈夫。頭ん中では出来上がってっから」
音は裕一に五線譜を持たせて隣の喫茶「バンブー」に行かせるが、そこでも華の話ばかりだ。マスター梶取保(野間口徹)が裕一に年配の常連客に紹介した。話は孫のことになった。「祐一くん、まだ一度もお孫さんをご両親に会わせてないんでしょ」と梶取は心配している。
常連客「それはいけません。あっと言う間に大人になっちゃうんですから」
福島を捨てた男が帰省なんかしていいものか
ちょうどそんなとき、故郷の福島の小学校恩師、藤堂先生(森山直太朗)から手紙が届いた。「君が作った校歌をたくさん残したい。ずっと思い描いていた夢なのです」。母校の効果の依頼だった。
音「故郷の校歌を作れるなんて、すてきなお話じゃん」
祐一「でも、僕は福島捨てた男だよ」
音「うん。そんな裕一さんだからこそ作れる曲があると思う。それに恩人の藤堂先生の依頼だから断ったら罰があたるわ」
祐一は徹夜で校歌を書き上げ、譜面を藤堂へ送ると、数日後には返事がきた。校歌完成披露会を開催したいから、家族で福島に来て参加してほしいという。その日は、藤堂からの返事の他に、祐一の母・まさ(菊池桃子)からの手紙もあった。
(NHK総合あさ8時)