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京アニ・青葉真司を生かした医師たちの矜持「誰であろうと、目の前の患者は全力で治療を尽くしたい」

   週刊文春は、アニメ制作会社「京都アニメーション」の第1スタジに放火して、社員36人を死亡させ、34人に重軽傷を負わせた青葉真司(42)の治療をした主治医の告白を掲載している。いい目の付け所である。

   自分も90%の火傷を負い、ドクターヘリで近畿大学病院に運ばれたのは事件から2日後だった。人工呼吸器が付けられた青葉を見たとき、担当のA医師は「正直、最初に見たときは経験上『これは絶命する』と思いました」と語っている。

   熱傷深度Ⅲ度という重篤な状態で、ほとんど救命ができない状態だったという。A医師のほかに熱傷専門医などのチームが結成され、ベテラン看護師らが配置された。A医師は治療に際し、青葉にこう言葉を投げかけたという。「俺はお前に正面からぶっかっていくから、お前も逃げるなよ」

   チームは週に2~3回は病院内で寝泊まりした。人工真皮のみで行うという前代未聞の治療が行われた。青葉は終始、医師たちには礼節を尽くしたという。昨年10月(2019年)、初めてお粥を食べたとき、青葉は、「うめー」と感嘆の声を漏らしたという。

   近大に「被害者をそっちのけにして加害者につくなんて、医療の倫理に反している」という怪文書が届いたこともあった。だが、医師たちには、事件の解明より、「とにかく目の前の患者に対して全力で治療を尽くしたいという思いだった」(A医師)

   途中でチームリーダーが、「離脱したい奴はいるか?」と聞いたが、誰も手を挙げなかった。「今思えば、誰も手を挙げる余裕などなかったのかもしれません」(同)。 5月27日、青葉に逮捕状が執行された。犠牲者が36人にも及んだと聞かされ、「2~3人だと思っていた」と話した。

   週刊新潮は、青葉の治療代が数千万円に上るとして、そんなに医療費を使ってまで、青葉を生き長らえさせる意味があったのだろうかという特集を組んでいる。バカなことを、と私は思う。A医師がいうように、患者が誰であれ、何とか手を尽くして命を助けようとするのが医者の使命である。たとえそれが残忍な殺人犯であってもだ。

   裁判が始まるのはまだ先になりそうだが、動機を含めて、事件の真実を知りたいのは、被害者の遺族も同じであろう。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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