NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、いったい「本能寺の変」をどう描くのか、今からドキドキワクワク期待をしている人も多いだろう。いまだ定説のない「本能寺の変」の原因について、最も人気の高い説をインターネット投票で決める「本能寺の変 原因説50 総選挙」という面白い試みが行われた。
その結果、明智光秀が非道な織田信長を許せず、正義のために討ったとする「暴君討伐説」が圧倒的な大差で1位となった。主催したのは、光秀が築城した福知山城がある京都府福知山市や福知山光秀ミュージアムなどだ。2日(2020年6月)に結果が発表された。
圧倒的1位は「暴君信長討伐説」...「だって光秀さんは義の人だから」
投票者はバラエティーに富んだ50の説の中から好みの説に投票した。海外を含め3万5359票が寄せられ、1位の「暴君討伐説」(信長非道説)は4046票。2位は、信長の後継者となった秀吉が暗躍したとみる「羽柴秀吉黒幕説」(2513票)で、さらに踏み込んだ「羽柴秀吉実行犯説」(1803票)も5位に食い込んだ。11位の秀吉・家康・光秀謀議説(1024票)も合わせると5340票となり、秀吉が暗躍したと見る人がかなり多いことがわかる。
3位は、光秀が信長に恨みを抱いていたという「怨恨説」、4位は光秀が天下取りを狙った「野望説」と、古くから唱えられていた説が入った。「暴君討伐説」に投票した人たちからはこんな声が――。
「光秀さん、真面目で優しいから。がんばれ、光秀!」
「智将といわれる光秀があそこまでクーデターを起こすに至るには、単なる個人的な怨恨だけでは不十分だ」
「光秀は義の人。私利私欲の謀反ではない」
「帰蝶プロデュース」があり得る理由は光秀との絆の深さ
今回の結果について、「麒麟がくる」でも時代考証を行なっている小和田哲男・静岡大学名誉教授は、
「1位に選ばれた『暴君討伐説』は、私は『信長非道阻止説』と言っていますが、これが1位になり、びっくりしています。私の考えを支持してくれる人がこれだけ多いと嬉しく思いますが、『怨恨説』や『野望説』の方が上に行くと思っていたので意外でもありました」
とコメントしている。
参考までに6位から10位までは次のとおりだ。
(6位)長宗我部元親関与説。 (7位)複合説。 (8位)朝廷黒幕説。 (9位)突発説。 (10位)ノイローゼ説。
変わったところでは、16位に「信長不死説」が食い込んでいた。実は、信長は生きていると思いたい人が多いのだ。ちなみに「麒麟がくる」ではここ数回、帰蝶の悪女・フィクサーぶりが際立っているが、なんと33位に「濃姫関与説」(269票)が入っていた。この説にいれた人のコメントはこうだ。
「麒麟がくるを見て、重兵衛と帰蝶の強い絆を感じた。帰蝶が信長から何かひどい仕打ち受け、それを知った光秀が信長の悪行を許せなくなり、本能寺の変に向かっていったと思う」
「麒麟がくる」では帰蝶はどんな役割を果たすのかも楽しみだ。(テレビウォッチ編集部)