埼玉県を走る路線バス、丸建自動車が運行する通称「けんちゃんバス」が存続の危機だと番組がとりあげた。
上尾市を中心に22路線で毎日3000人の利用客があり、市民の足として親しまれている。ところが新型コロナの影響で、2月以降のバス利用客が激減。本村健二社長は「学校は休み、会社も在宅勤務。いまでは毎日300人になりまして...」。4か月間の赤字総額は4000万円にものぼっている。
市民が困っている場所にバスを走らせるのが社長のモットー
市民の声を拾うと、夫ががんを患って県立がんセンターに通う70代の女性「なくなるのは困ります。困っている人を助けてくれるバスなんです」。路線は高校や大学、病院などを結び、市民が困っている場所にバスを走らせるのが社長のモットーなのだ。
けんちゃんバスは1980年、本村社長と妻のヨシエさんの二人でレンタルバス3台から始めた。現在ではバス50台、従業員60人の中堅バス会社に。
だが、7年前にヨシエさんが他界、そして今回のコロナ禍だ。本村社長は国土交通省や埼玉県に助成金の要請をしたが、「一銭ももらえない。運休すると言ったらそれはだめだと言われた」。路線が通る6つの市町にも助成金を申請。民事再生を選ぶ再建への一歩を踏み出した。
キャスターの立川志らく「国はひどいですね。高齢者に免許返納を勧めて、そのためにバスがあるのに」
安部敏樹(社会起業家)「けんちゃんバス、すごいですね。今も視聴者から、長年なかった路線ができて、それのおかげで病院に行けるようになったというコメントが来ています」とリアルタイムの視聴者コメントを紹介。「全国でも同様の問題がある。地域交通が慢性的に抱える問題とは別に、コロナ危機では国や自治体の支援がないと立ちいかないでしょう」
山田ルイ53世(芸人・作家)「町の血管みたいになっている。町全体の話なので、すぐに何がしかの手当てがあっていいのではないでしょうか」
文・ムギ