一途なロックバンド愛だけで突っ走るシズマこと赤川静馬(藤井流星)、その弟で夢も目標もない大学生・テツこと赤川哲馬(神山智洋)、シズマの高校の同期で超マイペースのオギノこと荻野禄郎(栗原類)、同じく同期で明るいムードメーカーのコバこと小鳩のぼる(吉田健悟)の4人は、技術も自信もないのにロックバンド「悲しみの向こう側」を結成、日本最大級の音楽フェス「電撃ロックフェス」出場を目指している。
自分たちのドッキリ映像をWEBに投稿して知名度を上げる奇策で一般投票数を増やし、1次審査は何とか通過した。2次審査のお題は「朝焼け」をテーマに曲を作るというもので、締め切りは1週間後だ。作曲やレコーディングの時間から逆算すると、歌詞作りにかけられる時間はたった1日しかない。
翌朝、全身に朝日を浴びたシズマに異変が...曲が降臨か?
ボーカル兼ギターで作詞担当のシズマは「朝焼けが一望できる場所に行かなきゃ、イメージ沸いてこない」と我儘を言う。そんなシズマにオギノが「ウチからは朝焼け、一望できるよ」と言い出し、自分のアパートにメンバーを連れて行く。アパートは、見渡す限り田畑が広がり、はるか遠くに山並みが横たわる田園地帯にポツンと建っていた。部屋の窓からは朝焼けが一望できそうだ。
翌朝の朝焼けを期待しつつ、4人はとりあえず酒盛りを始めた。だが、4人はいつの間にか気を失い、目を覚ますと、なんとまる1日が経過。朝焼けを見逃す大失態だ。追い詰められたシズマは「歌詞の神様が降臨しない」と言ってアロマを炊いたり、大声でわめいたり...。隣近所から怒鳴り込まれてしまう。
「このままじゃ2次審査、リタイアすることになる」と万事休したメンバーは、窮余の一策で「一番印象に残っている朝焼けエピソード」を順番に話していくことに。すると、オギノが「あれは確か、10年前の夏......」と、シズマとの出会いについて語り始めた。シズマはオギノの言葉に、そのときの2人の屈託のない笑顔を思い出した。そして翌朝、全身に朝日を浴びたシズマに異変が......!
どこかズレて残念なダメ男4人組が、1つの目標にチャレンジすることで成長していく物語が、コミカルにほのぼのと描かれる。「俺にもあんなに不器用で一生懸命だった時代があったよなぁ」と、懐かしさを感じさせてくれるドラマだ。(深夜0時59分放送)
寒山