「なんもしない人(ボク)を貸し出します」――サラリーマンを辞めて、こんな奇妙なサービスを始めた森山将太(増田貴久)は、「ベターライフ」という雑誌の編集者・河野(ヒャダイン)の取材を受けた。それは最寄り駅からの帰り道でいつも謎の男・金田(古舘寛治)に売りつけられる雑誌だ。その金田にも「あんた、有名人だったのか」と素性がバレてしまった。
そんな森山に「去年から本気で婚活を始めた」という瀬戸正一郎(松尾諭)から依頼が舞い込む。瀬戸は現在42歳。いろいろと手を尽くしてきたが、婚活デートは30戦30敗だという。今回もマッチングアプリで知り合ってデートした女性に告白したが、3週間たっても連絡がない。そこで「一体何が悪かったのか、そのときのデートを一緒に振り返ってほしい」という依頼だ。
男はボートの上で「僕って、つまらないでしょうか?」と泣きつく
森山と瀬戸は、デート当日の足取りを忠実にたどる。その間に瀬戸の口から出てくる言葉は「いつか運命の人と出会って結婚できるって思っていたんですけど......」「レンタルさんみたいな人には僕の気持ちは分からない」「なんでお金払ってみじめな思いをしなければならないんですか?」と後ろ向きの言葉ばかり。ついには、デートの最後に乗った公園のボートで森山に「僕って、つまらないでしょうか?」と泣きつく始末だ。
「ごく簡単な受け答え以外、なんもできかねます」という約束だが、森山は「ウソをつくのは苦手なので......」と前置きして話し始める。森山が思う瀬戸がモテない本当の理由とは......。
実在する「レンタルなんもしない人」森本祥司さんの実話をもとにしたフィクション。毎回、なんもしないレンタルさん相手に依頼者が自問自答する姿は、まるで心療内科の内観療法を受けているようで、思わず我が身も考えてしまう。(深夜0時12分放送)
寒山