音楽学校の記念公演主役の本選考が行われた。候補生たちが歌い終わったあと、選考審査員でオペラ歌手の双浦環が尋ねる。「みなさんに一つ質問があります。歌っているときに、どんなことを考えていましたか」
本命と目されている夏目千鶴子(小南満佑子)「私は観客に楽しんでもらえるように考えて、歌っていました」
音「私は、歌って楽しいなって思いながら歌いました」
最終的に残ったのは、音と千鶴子だった。音が双浦に駆け寄ってお礼を言うと、こんな厳しい言葉が返ってきた。「あなたは夏目さんには勝てない。歌に惹かれるものが何もなかった」
どうせ自分には才能がないのよ
どうせ自分には才能がないとやけになる音に、先輩の佐藤久志(山崎育三郎)は、まずは演目の「椿姫」の世界を理解すべきだとアドバイスをする。夫・裕一としか恋愛経験のない音は、男女の気持ちの機微がどうも理解できない。恋愛小説を片っ端から読んでみるが、まるで理解できない。
思い余って、「お願いがあるんだけど」と裕一に相談したのは、とんでもないアルバイトだった。
(NHK総合あさ8時放送)