新型コロナウイルスの感染者が中国以外の国で初めて確認され、3月末(2020年)に患者が急増したタイは、5月13~16日は新規感染者0人と、ほぼ封じ込めに成功したとみられる。3日には規制が一部緩和されて経済活動が再開したが、第2波も起こっていない。
その理由の1つが、全国に100万人いるという「保健ボランティア」だ。保険省の訓練を受けたボランティアが1人10~15世帯を受け持って、マスクや消毒液を配布したり検温したりして、国民の健康を管理している。
バンコクではカラフルなフェイスシールド270円!お坊さんも装着
また、首都バンコクでは、街のいたるところでカラフルなフェイスシールドが売られている。1枚80バーツ(約270円)程度で、オレンジ色の僧衣を着た僧侶たちも、民族舞踊を踊る女性たちもフェイスシールドを着けている。マスクとのダブル装着姿も珍しくない。
さらに、1週間に10万個売れているヒット商品が、「プッシュスティック」だ。手のひらサイズのキャップつきの棒で、エレベーターのボタンやクレジットカードの入力キーなどを押す際に、指の代わりに使う。キャップの部分に消毒液を入れておくことで、スティックを清潔に保つことができる仕組みになっている。日本円で200円程度だ。
デパートの対応も徹底している。クラスター対策として、入店の際に専用アプリで電話番号を登録する。体温チェックや手指の消毒だけでなく、スマホも消毒。エレベーターは1基につき6人で、それぞれが異なる方向を向くよう床に足のマークがかいてある。足でボタンを押せる仕様になっているものもある。
日本と大きく違うのは政府への信頼
タイ人の男性は「グッとラック!」の取材に、「政府がいろいろ規律を決めてくれて、この危機を乗り越えるためにはやるしかない」と話していた。
若林有子キャスター「みんなが着けていると、フェイスシールドも着けやすいですね」
日本医科大の北村義浩・特任教授「タイは、中国に次いで早い段階で感染者を見つけたPCR検査の技術もあり、医療レベルが極めて高い国です」
キャスターの立川志らく「日本でもいろんなアイデアが必要です」