新型コロナウイルス感染症の治療薬として使えるかと期待されている「アビガン」について、臨床研究したデータにはっきりした有効性が出なかったと共同通信がきのう19日(2020年5月)伝えた。複数の研究機関が、無症状と軽症の感染者を対象にアビガンの投与時期をかえて比べたところ、ウイルスの減少率に差が出なかったという。
安倍首相は「5月中の承認をめざす」としているが、科学的根拠に疑問符がついた形だ。
岡田晴恵教授「中等症以上の患者には大事な薬」
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)は「(投与して)回復した事例が実際にありますよね。一方で、きのうも日本医師会が早期承認に警鐘を発しています。どういうことなのでしょうか」と白鴎大学の岡田晴恵教授に聞いた。
「無症状や軽症者では変化は出ずらいんです。肺炎症状のある中等症以上の人に早期に投与して、データをとってもらわないと不十分です。しかし、コロナウイルスにはいまは、アビガンのカードは大事です」と説明した。
呼吸器内科の倉持仁医師は「これでアビガンが全部ダメというわけはありません。もっと治験を進めるといい」という。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「一喜一憂しないで。アビガンはもともとコロナ治療薬として作られた薬ではないし、他にも転用候補薬はあります」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト