曲作りをめぐって、妻の古山音(二階堂ふみ)の意見がぶつかり、裕一(窪田正孝)は書斎に籠もってしまう。裕一は自分の才能を証明したいと、コロンブスレコードの仕事も依頼されている早稲田大学の応援歌の作曲もそっちのけで、三日三晩徹夜して交響曲「反逆の詩」を書き上げた。
これは自分の最高傑作かもしれない。音楽界の大御所、小山田耕三(志村けん)に楽譜を見せようと、自宅を訪ねた。譜面をめくっていた小山田は、「で...?」と言ったっきり黙ってしまう。箸にも棒にもかからないという意味だ。
自信をなくし裕一は夜遅く帰宅し、再び自室にこもってしまう。心配した音が部屋に入ってくると、卓上ピアノをめちゃくちゃにたたき始めた。「僕は、だめだ。何もない人間なんだ」。涙を流す裕一の背中を音は抱きしめた。
早慶戦3日前になっても早稲田の応援歌「紺碧の空」は1音も浮かばない
早慶戦までいよいよ3日となり、「紺碧の空」の作曲を依頼している早稲田大学の応援団がせっつきに来た。「失礼します。先生、書けましたか」
裕一「僕は書げない。ほがの人に頼んでください」
団長の田中はあきらめず、慶應に勝つため、なんとしても書いてくれと訴える。
裕一「応援歌って、勝ぢ負げに関係ありますか」。早稲田が負けるのはただ弱いから、曲が採用されないのは自分の力がないからだと言い残して、裕一はまた書斎に籠もってしまう。
(NHK総合あさ8時)