「川口春奈の真っ直ぐさが毒殺すら迷わぬ強い女に合う」
その帰蝶の堂に入った「悪女」ぶりも話題になった。
「顔を見てお決めになればよい。いちゃつく信長の手をダーメとピシャリとはねつける帰蝶様は、今や毒殺のスペシャリストの風格。微動だにせず『作業』が終わるのを待っている帰蝶と、胸騒ぎに余裕がない土田御前。帰蝶は今までの大河になかった奥方像だ。川口春奈の真っ直ぐな感じが、毒殺すら迷わぬ意思の強い女にぴったり合う。暗殺の瞬間、引戸をバシバシっと閉めるところなんかも迫力があってよい。麒麟は面白いな。中断が残念」
「毒婦というか、毒蛾というか。序盤に十兵衛に絡んでいたころと比べてずいぶん毒々しくなりましたね、帰蝶殿。歴代で最も毒々しい濃姫です。暗殺教唆のご婦人と言えば、わが子可愛さで家督相続のライバルを殺す暗殺婆サンが時代劇の定番ですが、こんなに若くて清々しい表情を見せる陰謀家はとても新鮮。川口春奈だからこそ中和されているが、これが絵にかいたような毒婦女優だったらヘイトが集まるに違いない。しかし、あれもこれも殺しはすべて帰蝶さまの取り計らいというシナリオ、やりすぎの気がする」