伝説のラーメン職人にして一流フードコンサルタント・芹沢達美(鈴木京香)が社長を務めるラーメン店専門コンサル会社「清流企画」に、板橋区の老舗ラーメン店「おおひら食堂」店主・大平茂幸(蛍雪次朗)と芳江(芽島成美)から「後継者を探してほしい」との依頼が舞い込む。
おおひら食堂はタンメンが人気で繁盛しているが、もう年なので引退したいと考えている。それを知ったラーメン評論家・有栖涼(石塚英彦)が、20年来のお気に入りの店を失いたくないと、清流企画を紹介したのだった。
そこで芹沢が思いついたのが、社員全員による「人材発掘」の社内コンペだ。いずれは自分の店を持つことが目標の夏川彩(高橋メアリージュン)、トレンドに詳しいプレイボーイ・白坂隼人(小関裕太)、筋金入りラーメンおたく・須田正史(前野朋哉)、それにズバ抜けた料理センスを持ちながら空気の読めない新入社員・汐見ゆとり(黒島結菜)の4人が、それぞれの人脈と経験を生かして「老舗らーめん店の新たな店主」候補を連れてこさせ、その中から1人を選ぼうというのだ。
コンペ終了間際、謎の酔っ払いがラーメン店に
「私たちの生きた証しであるこの店の味をそのまま残したい」という大平夫妻の希望を入れ、コンペの方法は、候補者は看板メニューであるタンメンのレシピを1日で習得し、各人が3日間ずつ店主として〝模擬営業〟すると決ま
コンペ初日がきても候補者を見つけられない汐見に対して、先輩社員3人はそれぞれ自信満々に候補者を連れてきた。だが、実際にコンペが始まると、芹沢は「それは優秀な店長であって、店主とは言えません」などと候補者に厳しくダメ出しをしていく。
不戦敗には終わりたくないと焦った汐見は、自分の母親・橋爪ようこ(高畑淳子)が経営するクッキングスクールの前で生徒を捕まえては「大きな夢を掴んでみませんか?」と声をかける。しかし、汐見はスクールの職員に捕まり、橋爪がコンペのことを知るところとなった。
橋爪はゴリゴリのラーメン嫌いで、芹沢とは昔から犬猿の仲だ。その橋爪が芹沢にわざわざ電話をして「かわいい娘が困っていたら、手を差し伸べるのが親の務めじゃないの?」と出しゃばってきた。汐見を自分の手に取り戻し、スクールの後継者にしたい橋爪が、何かを企んでいるのは明らかだ。
コンペ終了が近づいたある日、汐見が店で大平夫妻と話していると、中年の酔客・鷹野研次郎(音尾琢真)が満面の笑みを浮かべながら「俺が候補者になってやる」と汐見に話しかけた。鷹野は昼間から立ち飲み屋で飲む酒好き。汐見は鷹野を「人としてタメダメですよ」と毛嫌いするが、鷹野は勝手に話を進めてしまう。一見ただの酔っ払いのお調子者だが、実はこの男の正体は......。(よる10時放送)
寒山