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コロナ優先で後回しにされるがん患者手術...死亡リスク高いのに

   日本に感染者がどれくらいいるのかという野党の質問に、専門家ももちろん、閣僚たち、安倍首相もいまだに答えられない。お粗末すぎるが、週刊現代はいいところを突いている。感染者数の500倍以上になる760万人超がすでに新型コロナウイルス肺炎に感染しているという試算があるというのだ。

   この数字が意味するところはと、上昌広医療ガバナンス研究所理事長がいっている。「実は多くの日本人は新型コロナに一度感染して、すでに回復しているのです。新型コロナは緊急事態宣言をずるずると延長するほど恐ろしい病気ではないことが分かってきています」

   4月21日、慶応大学病院が調査結果を発表した。来院した患者67人にPCR検査を実施したところ、このうちの6%、4人が陽性と判明したのだ。これではサンプル数が少なすぎるが、ナビタスクリニック理事長の久住英二が20代から80代の男女2020人を対象に抗体検査を行った。調査の結果、新型コロナウイルス肺炎に抗体がある人は5.9%で、慶応とほぼ同じである。この人たちは発熱や咳に苦しんだわけではない。感染しても、知らずに軽症で済んでいるのだ。

   同じ週刊現代が、コロナ患者を優先するためがん患者が後回しにされていると報じている。もちろん、不要不急、急いで手術しないでも大丈夫な患者だが、がんの中には、足が早く、置いておけば助かる者も助からないと北里大学医学部の比企直樹主任教授はいう。

   「一番は膵臓ですよね。それから僕らが扱う胃、食道。これらは放置しておくと悪くなってしまうので、できる限り早い治療が必要です。(中略)極端な見方をすると、本来なら20%だった死亡率が、時間を置くことで30~40%くらいまで上がることになる。ですから延長するとしても、できるだけ早い治療の再開が必要となります」

   国立がん研究センターのデータによれば、生涯にがんで死亡する確率は、男で24%、女で15%。毎年、およそ100万人ががんに罹患し、約37万人が亡くなっている。今のところ、新型コロナウイルス肺炎の感染者は約1万6000人で、死亡者数は約700人である。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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