日本医師会は唾液を使ったPCR検査の拡充を求めている。日本はPCR検査が極端に少ないのだが、もはや増やす必要はないという専門家もいる。仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長は「これ以上増やすのは現実的ではありません。検査機関の負担が大きく、検査の精度を維持できなくなる恐れもでてきます」といい、日本臨床衛生検査技師会の横地常広副会長は「検査技師は通常業務と兼務しており、現状で検査数を増やすのは難しい」と指摘している。
リモート出演の日本感染症学会専門医・佐藤昭裕医師はこう解説した。「感染の診断はPCR検査1本ではありません。レントゲンやCTなどを組み合わせて診断するなど、フェーズによって使い分けています。(PCR検査は)重症化する可能性が高い患者など対象を絞って実施してきましたが、感染者数が減り始めている今は、次の波に備えて環境を整える時期だと考えています」
陽性でも全員は隔離できない
菊地幸夫(弁護士)「1つの制度をどう使っていくかは、まず現状がどうなっているかを冷静に分析することが必要です。検査数だけ増やしても、全員を隔離できるわけではないので、重症の人に限って使うのは間違ってはいないと思います」
佐藤医師がこれを補足し、「ただ、無症状の人のデータが少なく、どれだけ感染させやすいのかわからないんです。PCR検査に関わらず、外出を自粛し、マスクをすることは必要です」と話した。
ラグビー元日本代表の大畑大介「市民の不安は大きく、明確な指針があると安心できますよね。PCR検査が難しいのであれば、陽性率などを示すなど、国として数字示してほしい」
西村センター長は「いまは医療体制を再構築して第2波に備えるべき」という。司会の加藤浩次は「第2波が起きた時のために、自分たちに何ができるか考えることも大事。手洗いなど、常に考えていきたい」