関東地方では4日と6日(2020年5月)の深夜に緊急地震速報が出され、千葉で震度4を記録した。新型コロナウイルスの流行と地震災害が重なるのは怖い。
千葉・芝山町防災担当の小川欣也さんは「(新型コロナの)感染リスクがあるため、今は『いち早く避難を』とは言えません。避難所への避難は最終手段として呼びかけることになります」と話す。3月13日に最大震度5強の地震が発生した石川県では、避難所が7カ所開設されたが、穴水町の小谷政一・管理課長は「地震でせっかく助かった方々が避難所に集中することによって、ウイルスに感染する恐れもあります。避難所の開設には恐怖を感じます」と話した。
阪神・淡路大震災ではインフルエンザ集団感染
1995年の阪神・淡路大震災では、避難所でインフルエンザの集団感染が発生し、神戸市だけで300人以上が死亡したと推計されている。公衆衛生に詳しい浜松医科大学の尾島俊之教授はこうアドバイスする。
「避難所に多くの人が集まり、感染症が広がると複合災害になりかねません。とくに床からの感染に気を付ける必要があります」。裸足や靴下など足についたウイルスが持ち込まれ、床に座ったり寝たりすることによって感染が広がる恐れがあるという。指定された避難所以外に、友人宅やお寺・神社などの分散避難先を考えておき、「避難した人同士で助け合いながら過ごすことが必要です」
避難所での感染防止対策として、マスクや消毒液に加えて、室内テントやダンボールベッドを用意する自治体も出てきている。
日本医科大の北村義浩・特任教授「(今の避難所の状態で)ウイルス感染を防ぐのは不可能です。分散して避難をすることを考えておかなければいけません」
キャスターの立川志らく「分散避難を個々に任せるとパニックになるので、自治体がちゃんと決めた方がいいですね。地震だけでなく、台風は確実にやってきます。今のうちに進めておく必要がありますね」