春になり、古山音(二階堂ふみ)は東京帝国音楽学校に通い出した。一方、裕一(窪田正孝)は悩みを抱えていた。コロンブスレコードとの契約は流行歌を扱う赤レーベルだったが、何度譜面を見せても、ディレクターの廿日市誉(古田新太)に突き返されてしまうのだ。
裕一は同時期に専属作曲家になった木枯正人(野田洋次郎)に誘われ、カフェーに行く。着飾った女性たちに囲まれて緊張している裕一の横で、木枯は「大衆が求める歌を作るには、大衆を知らなきゃ始まらない」などと言っている。
裕一はカフェーに行ったことを音に隠そうとするが、ワイシャツについた口紅でバレてしまう。それは初めての夫婦ゲンカだった。
その翌日、裕一は喫茶「バンブー」で音と眉目秀麗な男子学生が向かい合って座っているところを目撃する。相手は音の通う音楽学校で、プリンスと呼ばれる女子学生たちの憧れの的だ。プリンスは驚いたように裕一に声をかけてきた。彼は小学校の同級生、佐藤久志(山崎育三郎)だったのだ。裕一は久志に自分が曲作りで苦戦していることを明かす。
久志「焦ることはないさ。君は選ばれし者なんだ。いつか必ず道は開ける」
小山田の推薦と知って作曲に没頭
半年たっても曲は相変わらず採用されなかった。そんなある日、裕一はコロンブスレコードと契約できたのは、憧れの作曲家、小山田耕三(志村けん)が推薦してくれたおかげだと知る。その日以来、裕一は期待の応えようと取りつかれたように作曲に没頭した。
しかし、音の記念公演の主役選考会当日の朝、裕一は突然腹痛に襲われ、倒れてしまう。
(NHK総合あさ8時)