新型コロナウイルスの感染防止のため、アクリル板の需要が急増している。人と人が向かい合うような場所に置くと飛沫による感染を防ぐ効果があり、飲食店や市役所の窓口、ネイルサロンでも設置が進んでいる
アクリル板越しにリコーダーのレッスンをしている東京音楽大・大学院非常勤講師の吉澤徹さんは「透明なアクリルなので、抵抗なく受け入れてもらっています。来てくれる生徒に少しでも安心感を与えられることが大きい」と話す。
先月25日(2020年4月)から休業していた仙台市の釣り堀「釣物語」でも、休業要請解除に向け、約7万円をかけて18枚のアクリル板を等間隔で設置した。アクリル板に左右を挟まれて釣るのだ。代表の髙橋敦さんは「小さいお子様が多いので、何かあった時に心配でした。隣のしぶきがかからないと好評です」と話していた。
医療関係者やスーパーから注文
透明なアクリルで顔を覆うフェイスシールドは、医療関係者のほか、スーパーの店員や手話通訳者らが着用している。イベントやコンサートで販売されるグッズを製造している東京・足立区のアクリル加工会社「三幸」は、フェイスシールドを作り始めたところ、4月中旬ぐらいから注文が急増したという。値段は10枚で1万5000円。医療関係者から7000枚の受注があり、ゴールデンウイークも返上で製造に追われた。「ひっ迫した状況でみなさんお困りだと思うので、1日でも早くお届けしたい」と小沢頼寿社長は話していた。
キャスターの立川志らくがフェイスシールドをつけて登場。「違和感はないですね。マスクの方が苦しいぐらいです。これをみんなでつけていれば、野球やコンサートも見に行けるでしょうか」
小林寅喆教授(東邦大)「直接飛沫を浴びないという効果はありますが、横はあいています。(内側に)自分の息がかかって、つばもつくのでメンテナンスが増え、感染経路も増えます。使った後のごみをどうするかという環境面の心配もありますね」
志らく「これが国民全体に行き渡れば安心、という単純な話じゃないようですね」