新型コロナウイルス感染が終息へ向かっていると、韓国はきょう6日(2020年5月)から、外出の自粛など日常生活上の制限を緩和した。学校は13日から順次開校される。
文在寅大統領はこれを「K防疫」の成果だと自画自賛している。K防疫とは、まず徹底したPCR検査の実施だ。韓国の10万人当たりのPCR検査数は1198件、日本はわずか188件だ。さらに、感染者1人1人を見つけ出し、隔離し、性別や年齢、利用した店や公共施設、利用時間などを公表した。
WHO(世界保健機関)西太平洋事務局のコンサルタントで、東京大大学院特任教授の坂元晴香さんは、「韓国は2015年にMERS(中東呼吸器症候群)を経験していたことが大きいと思います。対応が後手に回り、多くの死者を出してしまった韓国では、その教訓を生かし、感染者の追跡体制を確立し、行動履歴を公開できました。コロナウイルス発生初期からPCR検査、陽性患者の隔離施設などの設備が整っていたのです」と話す。
MERS、SARSの経験から先手対策
山田秀雄弁護士「危機管理の大原則である初期対応の違いが、いま尾を引いています。韓国、台湾、ベトナムなどは、MERS、SARS(重症急性呼吸器症候群)の厳しい経験から準備がある程度できていたというのが大きいですよね。韓国がロックダウンもせずこれだけの成績を出したのは、素晴らしいことですが、もう1つ重要なのは、制度のたてつけの違いです。
韓国ではナンバー制で携帯やクレジットカードなどが全部ヒモづけられているので、行動履歴が分かります。でも、これは日本ではプライバシーや個人情報の問題があり、厳しいです」
司会の小倉智昭「韓国では、検査キットを1月くらいから作り始めて、今は95%を海外に輸出しているそうです。かなり進んでいます。日本の感染拡大阻止に協力してもいいと言い出しているそうです。であれば、これが、悪化している日韓関係の改善のきっかけになるかもしない。日本政府も頭を下げてよろしくお願いします、と言ってほしいですね」