各都道府県や自治体ごとに学校再開の判断が分かれている。東京都と大阪府は31日(2020年5月)まで休校を延長するが、再開は市区町村の判断に任せる。大分、長崎、鹿児島は11日から、佐賀は14日から再開する。感染者3人の鳥取は県立学校、小中学校の7日からの再開を決定した。
親に心配の声も多い。鳥取市内の小学校に2人の娘を通わせる母親は、「学校再開する意味が分かりません。まったく危機感がないですよ。今のところ子どもを学校に行かせるという考えはありません」と話す。東京の区立小に通う小4男児の母親は「11日から再開と連絡がきましたが、休ませたい。8月末まで休みでもいいと思っているくらいです」と不安そうだ。
31日までの休校が決まった神奈川県の県立高校の教師は、新しく受け持った3年生の進路への影響を懸念し、「正直、1日でも早く再開してほしい」と話す。
古市憲寿「古市氏「そもそも休校は感染抑止に効果があったのか」
文部科学省は学校再開のガイドラインを発表している。体育は密着を伴う運動はしない、家庭科で調理実習はしない、音楽は密閉空間での歌唱指導はしないなど。運動会、文化祭、修学旅行なども行わないとしている。また、教室では児童・生徒の距離を1~2メートル確保するとあるが、これにはかなり広い教室が必要で、現実的とは言えない。
古市憲寿氏(社会学者)「そもそも、休校はコロナの感染拡大抑止にほとんど効果がなかったのでないかと、専門家会議でも言われている。保護者の方の不安も分かりますが」
東京大大学院の坂元晴香・特任研究員「子どもが重症化するのは極めてまれだと言われています。勉強の遅れの問題もあるし、子どもにとって数か月、友達に会えないというのは非常に大きいですよ。自粛が長引いて、子どもの虐待が増えていることも指摘されています。全体のバランスを考えると、とくに感染が広がっていない地域では休校解除した方がよいと思います」
司会の小倉智昭「大学には勤労学生が多く、その20~25%が授業料が払えないからと学校を辞めることを考えているといいます。若い人たちの将来をこれで奪ってしまっていいのか。大学生の支援も厚くしないといけないですよ」