新型コロナウイルスのPCR検査がなぜ増えないのか、きのう4日(2020年5月)の専門家会議で示された理由は「歴史的背景がある」(尾身茂副座長)ということらしい。
人口10万人当たりの検査実施数は、イタリア、ドイツは約3千人、シンガポール1700人、韓国1200人に対して日本は188人だ。なんとイタリアの16分の1、韓国の6分の1だ。
SARS経験がなく、新しい病原体に対する想定がなかった
専門家会議があげた理由の一つは、日本ではSARS(重症性呼吸器症候群)などの新興感染症の国内発生がなく、国や地方の衛生研究所の態勢拡充を求める声が起こらなかったこと。衛生研究所の対応はハシカやノロウイルス、結核が中心で、新しい病原体に対しては想定されなかった。さらに、保健所が業務過多に陥り、マスクなど医療機器の圧倒的不足も理由にされた。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「それは言い訳だ。どうやったら突破できるかを聞きたかった」
これに自民党の田村憲久・元厚労相が「一番の問題はすべてを解決する推進力がなかったことで、国と地方で協力して(これから)態勢をつくろうということです」と述べた。玉川は納得せず「全自動の検査機を政府の力で買うこともできたはず、マンパワーだって全国の大学に医学部以外の研究員もいる。政府が大号令をかければいくらでもできた」と反論、田村氏も「政府の甘えがあった」点は認めた。
東京では区によって検査センターの設置も進んでいるが、白鴎大学の岡田晴恵教授は「このレベルの対策をできるのは一部」と指摘した。「検査に協力を申し出た病院が断られるケースがあった」と打ち明ける都内保健所関係者もいる。
菅野朋子(弁護士)「目詰まりがどこで起きているかをきちんとしないといけません。客観的データや事実から今後どうしたらいいかを考える必要があります」
あっちゃん