日本一のラーメン店「らあめん清流房」のカリスマ店主にして、フード・コンサルティング会社「清流企画」社長・芹沢達美(鈴木京香)が、ド天然で空気は読めないが料理の才能だけは抜群の新入社員・汐見ゆとり(黒島結菜)らとともに、潰れそうなラーメン店を繁盛店に変えていく。
「つけ麺あんざい」店主・安西徳之(窪塚俊介)からきたコンサルの依頼を、汐見は誰にも相談することなく勝手に引き受けてしまった。芹沢は「ウチの看板を背負っていく以上、失敗は許されないわよ」とくぎを刺していかせる。安西が作るつけ麺は汐見も納得のうまさだが、なぜか客がまったく入らないのだ。問題は「味」以外にありそうだ。
味は悪くないのにさっぱり客が入らない
安西が原因を探っていると、やはりフード・コンサル会社の「味惑コーポレーション」の難波倫子(松井玲奈)が現れた。安西の妻が依頼していたのだ。夫婦は誰に依頼するかで口論が始めた。さらに、難波は汐見に向かって「消え失せろ! このボケッ!」と当たる。
うんざりして汐見が帰社すると、汐見の母親・橋爪ようこ(高畑淳子)と父親・汐見亮二(利重剛)がいた。母親は全国に支部を持つ「橋爪クッキングスクール」の代表で、ラーメンを「ジャンクフード」と目の敵にする自然派食品原理主義者だった。芹沢と橋爪は、かつてテレビ番組で対決したこともある因縁の間柄だ。ラーメン界の天敵である橋爪が「娘の就職先の様子を見に来た」というのは表向きの理由で、本当の目的は別にあった。
そのころ、安西夫婦は難波が提案した再建プランに乗ろうとしていた。一見、非の打ち所のないプランと思えた。しかし、芹沢は裏があるとにらみ、「売られた喧嘩を買いに行く。ついでに火薬も投入してね!」と味惑コーポレーションに乗り込み、2社によるコンペを申し出た。(よる10時)
寒山