この日の放送は、いつもはひな壇に座ってゲストにチャチャを入れるレギュラー陣・通称「アウト軍団」の初登場回を振り返るとともに、新型コロナ禍でステイホーム中の彼らのアウトなおうちでの過ごし方が紹介された。
いまは同番組のMCを務める山里亮太（南海キャンディーズ）も、最初は「SNSがすぐ炎上する芸人」として2012年にゲストとして登場していたほか、結婚生活2か月のスピード離婚女優の遠野なぎこ、ネガティブなことしか言わないモデルの栗原類、同じモノマネ芸人の福田彩乃を異常にライバル視するミラクルひかる、羽生善治に勝利した経歴をしつこくアピールする棋士・加藤一二三など、それぞれにアウトなエピソードを引っ提げての初登場だった。
長年この番組を見ている視聴者の一人としては、「いや～、懐かしい」という言葉が思わず漏れ出るとともに、この番組でマツコと矢部に魅力を発掘され、現在もその個性を生かして活躍の場を広げているゲストがいかに多いかと感心してしまう。
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「アウト×デラックス」（フジテレビの番組ホームページより）
〝面倒くさいロシア人〟こと小原ブラスの梅酒片手入浴が笑えた
一方で、ゲスト出演後にレギュラー枠を勝ち取るも、この番組でしか見かけないのは猫キャラの柿沼さん（柿沼しのぶ）と高い声でおなじみの山下君（山下恵司）だ。しかし、彼らのいつまでたってもキラキラしない、誰かが磨こうとしてもたやすくそうはそうさせない頑なな原石ッぷりこそ、この番組の根幹であるわけで、彼らにはこれからも番組に出続けて欲しいと思う。
さて、アウト軍団の〝おうち時間〟であるが、在宅中の夫に見つからないようにクローゼットでこっそり飲酒する高橋ひとみや、ノーメーク＆ジャージでゲームにふける遠野なぎこなどがいる中で、ひときわインパクトが強かったのが〝面倒くさいロシア人〟こと小原ブラスだった。
頭と身体にタオルを巻き付けた姿で浴室に登場した小原は、「おうちではとにかくお風呂に入ってんねん。お風呂に入ってちょっとでも汗かいて元気になろう思うて」と流ちょうな関西弁で説明しながら湯船へ。梅酒の入ったグラスを片手に。
そして、天井に吊るされたピンチハンガーにびっしりと垂れ下がるイチゴにおもむろに手を伸ばすと、「こうやってちょっとでもなぁ、アウトドアの気分をつくろう思うて。家ではできないと思うやろ、イチゴ狩り。できんねんイチゴ狩り！」と、イチゴを頬張りながらどや顔。
ロシア人が風呂場で梅酒を片手にピンチハンガーから垂れ下がるイチゴを食べるというだけでもかなり画力が強いのに、さらに「高いやつを買おう思うたけど、高いやつは600円もするから300円ので妥協しました」と準備の苦労もにじませ、個人的には100点満点だった。
このコロナ禍で、各局のプライムタイムはドラマの再放送が増え、YouTubeに流れるお笑い芸人が増えている。そんな状況下で、今回のように自宅で過ごす出演者からの動画できちんと面白い番組を成立させたスタッフのアイデアにも拍手を送りたい。（2020年4月23日深夜23時～）
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