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萩本欽一は見抜いていた「志村けんの面白さはしゃべらない笑い」誰でもわかる動きの滑稽さ

   萩本欽一が週刊文春で、志村けんのことを語っている。2人はほとんど一緒に仕事をしたことはないというが、志村がドリフのメンバーになる前から注目していたという。志村もコント55号の台本を見せてくれないかと、テレビ局の人間に頼みに来ていたそうだ。

欽ちゃんは、コロナの時代、お笑いというのはしゃべりではなく、動きこそが重要だ、「しゃべらない笑い」を生み出さなくてはいけないと語っている。欽ちゃんは浅草の劇場でコメディアンの修業をしたが、それは「動き」の修行だった。志村も「彼の芸が子供から大人までみんなに喜ばれたのは、誰にでも分かる『動きの笑い』を極めていたからだった。そのことにこだわったけんちゃんは、言葉通りの『芸人』だった」

   「しゃべらない笑い」の原点は、そう、チャップリンである。私も、チャップリンの『街の灯』や『殺人狂時代』などを見返している。彼の笑いは落語に似ている。同じものを何度見ていても、同じ場面で笑う。欽ちゃんは、「けんちゃんは一番大事なときにいなくなってしまった。いまこそ必要とされるコメディアンだったのに......」と話している。

   今夜は、チャップリンの『ライムライト』を見て笑って泣くか。

   何やら北朝鮮がきな臭くなってきた。CNNの金正恩重体報道は、トランプの思わせぶりな発言もあり、何事か起こっているのは間違いないようだ。もし、金正恩にもしものことがあれば、妹の金与正女史(32)を中心とした集団指導体制が敷かれると週刊新潮は見ている。どちらにしても、コロナ感染のさなかに、北朝鮮の体制が不安定になるのは......困ったものである。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)、『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)、『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、 『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)、『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。

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