にわかに浮上「9月入学・新学期」東大も10年前に検討したが、保護者から疑問出て断念

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   国民民主党の玉木雄一郎代表が「9月入学移行も一案」と言い出し、安倍首相は「前広に選択肢を検討する」、荻生田文部科学相も「大きな選択肢の一つ」と前向きだ。小池百合子・東京都知事が「明治時代には9月スタートだった」、吉村洋文・大阪府知事が「子供の未来を考えて」と、9月入学案を支持した。

   慎重な意見もある。大井川和彦・茨城県知事は「検討には値するが、やり切るのは難しい」、中村時広・愛媛県知事は「性急な導入には反対。採用にも負担になる」という立場をとる。

   東京大学は2011~12年にかけて秋入学導入を検討した。優秀な留学生や教員を取り込み、世界で東大の順位を上げたいと考えていたからだ。しかし、2年にわたる議論の末、秋入学は見送ることになった。

   東京大のロバート・キャンベル名誉教授は「他大学へも協力を呼び掛けましたが、断念することになりました。(保護者から)9月までの6カ月間の時間やお金をどうするという指摘があったんです」と話した。「足並みをそろえれば、実現できるかもしれない。企業も一緒に進められれば、半年間の就職浪人も生じない」と指摘した。

コロナ大混乱、国会会期残り1か月半...拙速避けるべきだ

   番組に寄せられたツイッターでは、賛成派68%、反対は32%。森圭介アナによると「わからないことが多く不安、という声が多かった」という。教育評論家の石川幸夫氏は、9月入学になると留学しやすくなり、留学生を迎えやすくなり、グローバル化が進む。受験が夏になることで積雪などで中止になることがなくなるなどのメリットがあるという。デメリットは、就職や国家試験など社会との調整が必要になる点だという。

   経営コンサルタントの坂口孝則「9月入学にしたほうがいいが、やるのは難しいと思います。就職などとの調整については、通年採用していくスタイルに合わせていけばいいんです」

   近藤春菜キャスター「明治期に4月に決まったというのですが、今は令和の時代。時代に合わせて変えていくことも必要かもしれないですね。ただ、今年は9月までのあと数カ月でスタートするのは難しいと思います」

   司会の加藤浩次、「部活の問題もある。夏の甲子園はどうする、プロ野球は? Jリーグは? 僕は9月入学になってもいいと思うけど、今年からとなると、事務方の人は大変だろうなと思います」

   学校制度の大きな変更を、日本中がコロナ感染で大混乱し、国会審議も6月半ばまでのたった1か月半しかないというなかで決めるようなことなのか。留学しやすくなるというが、大学生の何割が留学するのか。受験に好都合などと根拠は甚だ薄弱である。拙速を避けるべきだ。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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