やるなら今!と急浮上「9月入学案」の怪しさ―教育理念・政策ひっくり返しのチャンス?

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   緊急事態宣言の5月6日(2020年)の解除は難しそうで、小中高校の休校措置も延長されるとあって、「9月入学案」が急浮上している。28日に行われた17県知事によるウェブ会議で、宮城県の村井嘉浩知事は「諸外国の学校が9月入学ということで、今回、国際化に向けて9月入学を考えるのも1つではないか」と提案した。休校による学習の遅れや教育格差を解消し、国際標準に合わせることで交換留学がしやすくなるなどのメリットもあるというのだ。

   東京都の小池百合子知事も「私は以前から『9月新学年スタート』論者の1人です。これによる混乱は生じると思いますが、いま混乱は生じています。そういう時にしか社会は変わらないのではないか」と話す。

センター試験のときインフルや雪の心配なくなるって...そんな理由かい!

   萩生田光一・文部科学相は「文部科学省だけで完結する問題ではなく、社会全体に影響を及ぼすもので、各方面との調整が極めて重要な案件だ。本当に世界全体でこのスケジュール感を共有できるのかどうか」と、賛同はできないとした。

   若狭勝(弁護士)「法律の改正など、いろいろ問題はある。でも、これはやろうと思えばできること。良い機会ですので、改正すべき法律は一斉に改正し、短期間でもできると思います」

   古市憲寿氏(社会学者)「春入学だと、センター試験ではインフルエンザ流行や雪の危険が毎年あるんですよね。世界中の大学は基本的に9月から始まるので、世界標準に変えるには千載一遇のチャンスだと思う」

   生出演していた岡山県の伊原木隆太知事は「数十年に1度の災難の時は、数十年に1度の大改革の大チャンスです。今できなければできないと思う」と語った。

   しかし、9月入学への変更は、教育制度、教育理念・政策など根本にかかわる国家の重大事項だ。新型ウイルス感染で国中が大混乱しているときに、チャンスだからどさくさ紛れに変えてしまえというのは、無責任すぎやしないか。「重大局面」と言いながら、どうせ混乱してるんだからやってしまえという小池都知事にはあきれるほかない。

文   ピノコ
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