重症化すると命にかかわるおそれがある新型コロナウイルスだが、なんと「舌みがき」でそのリスクを減らせる可能性があるという。
鶴見大学歯学部の花田信弘教授が解説する。
「歯周病菌など口の中の細菌は、いつも少量ですが肺の中に入っています。普段はそれで問題ないですが、新型コロナウイルスに感染すると肺の免疫力が低下することがわかっています。その状態で口の細菌が肺に入ると、ウイルスによる肺炎とは別に細菌による肺炎を起こすんです。ウイルス性肺炎と細菌性肺炎のダブルパンチが危険なんです。ウイルス感染の予防は難しいですが、続いて起こる細菌性肺炎の発症リスクを日頃からできるだけ低くしておくことが、新型コロナウイルスに打ち勝つポイントだと考えています。歯周病の治療や歯みがきだけでなく、舌みがきも忘れないようにしていただきたいです」
「液体歯みがき」では細菌は除去できない
ドラッグストアなどで手に入る舌みがき専用のブラシを使うのがベストだが、なければ清潔なガーゼややわらかいタオルを指に巻き、舌の奥から先に向かってやさしく2~3回拭き取るようにぬぐえばOKだ。
博多大吉キャスター「たまに歯みがきのついでに歯ブラシで舌をみがいて、オエッてなっているんですが」
花田さん「歯ブラシではこすらない方がいいです。舌に傷を付けるおそれがあります」
森田洋平アナ「朝起きてすぐと寝る前の1日2回みがくのがおすすめとのことです。これはどうしてでしょうか」
花田さん「夜寝ている間、気が付かないうちに口の細菌が肺の中に入ります。寝る前に口をきれいにしておくことが大切なポイントです。一晩寝ると単純計算で1000倍ほど口の中の細菌が多くなっています。朝起きて顔を洗うと同時に舌もみがいた方がいいです」
博多華丸キャスター「口の中の洗浄液がありますが、あれでは生ぬるいんですか?やっぱりこすった方がいいですか」
花田さん「口の細菌は、細菌同士で固いスクラムを組んだ状態になっていて、これをバイオフィルムといいます。液体歯みがきでゆすぐだけだと、バイオフィルムの表面を洗うだけで、除去することができないんです。お風呂のぬめりと同じで、物理的に力を加えて落とすのが効果的です」