「道三VS信長の腹の探り合い、緊張感マックスで見応えがあった」
「帰蝶が考えた信秀の遺言がすごく効いたのだと思う。信長が、親に褒められたい一心の青年から、大人になっていた。自信とオーラを身にまとい、道三が喜びそうなことを和やかに話し、何度も帰蝶の名前を出したのは、我らは身内であることを強調したように感じた。道三には義理の息子の信長が明るく光って見えたのではないか。一方、道三は実の息子・高政の孤独には気づかない。信長を気に入ったことだけをはっきり伝える父親。深芳野が亡くなった時、深芳野を愛していたことだけは伝わってきたが、高政をどう思っているのかは不明なままで、これではわだかまりは深まるばかりだ」
「信長を演じている染谷将太くんの演技には、童顔に似合わず、凄く狂気を感じますよね。まさしく、それが信長という人だと思います。彼をその役に抜擢したのは、間違いなく大正解ですね!」
「染谷信長は聖徳寺の会見も誠に見事だ。これまでの信長像=精悍で豪胆で絶大なるカリスマ性、狂気、派手好きとは少し違う。無垢で純粋な少年と、狡猾な策士の二面性の演じ分けが素晴らしい。道三が陰から覗いていることを見破っていた馬上の含み笑い、前田、佐々を紹介する時のしたり顔、義父・道三と帰蝶のことを同時に思い描いての最後の屈託のない笑顔...そりゃ、道三でなくても落ちるやろと思った。史実では秀吉(佐々木蔵之介)、家康(風間俊介)より年上の信長に、1番若い染谷将太をキャスティングしたのも、少年の無垢さも描きたいがためなのだろう」
「驚異の長台詞。目の動き、表情の作り方。すべてが文句なし。初見で道三をして油断のならぬうつけものと思わせるほどの信長の異才ぶりを見事に演じきった」
「道三VS信長の腹の探り合い、演技力のある二人ゆえに緊張感マックスで見応えがあった。でも、でもやっぱり信長のルックスが丸顔過ぎて残念。敢えて童顔の染谷さんを選んだ心意気は分かるが、個人的にはやっぱり信長は細面で刀の様な目をしてなくちゃ...。と思ってしまう」
「斎藤高政『父上はそれほど信長がお好きでございますか?』。斎藤道三『ああ、好きじゃ、大好きじゃ』。道三のエクスタシー、凄い!」