古山裕一(窪田正孝)は失恋の痛手を引きずりながら、ひたすら仕事を続けていた。銀行の上司や仲間たちは、いつまでも悄然としている裕一に気をもんで、元気づけようと下宿で酒を飲み明かすが、翌日も様子が変わらない。
叔父の権藤茂兵衛(風間杜夫)だけは、裕一が心を入れ替え、熱心に仕事に励んでいると聞いて上機嫌である。やっと養子として、みんなにお披露目できると安堵していた。
「お前の好きなストラヴィンスキーが審査員だぞ」
そんな裕一を小学校の幼馴染みで、「乃木大将」とあだ名されていた村野鉄男(中村蒼)が、下宿を訪ねてきた。鉄男はいまは新聞社に勤めているという。部屋にあった音楽雑誌を開く。「これ見でくれ。このページだけ見てくれ」
そこには「国際作曲コンクール」の募集記事が載っていた。ところが、裕一は目もくれない。鉄男は「お前の好きなストラヴィンスキーが審査員だぞ。挑戦しろ。やってみろ」とけしかける。裕一はパラパラとページをめくっただけだった。
鉄男「俺は、諦めねえがち、まだ来る」
(総合あさ8時)