ビートたけしが嘆く「世界のピンチに疑惑だらけの政権に託すしかない日本」の情けなさ!こんな内閣が支持率40%とは...

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   言葉が汚くて申し訳ないが、こんなクソ政権が、いまだに支持率が40.4%(共同通信2020年4月13日)もあることが信じられない。私が週刊誌の編集長なら、周りにはまったくいない安倍を支持する人を草の根を分けても見つけ出して、「代わる人がない」という理由以外の支持する"根拠"を聞き出し、誌面化する。

   安倍という男は、信念も、決めたことは断固やり抜くという強い意志もない。いい例が、きのう16日にいきなり「すべての国民を対象に一律10万円を給付する」と発表したことである。 しかも、圧倒的に不評だった「減収世帯へ30万給付」を取り止めるというのである。

   14日に二階幹事長が10万円給付をいい出した時に、流れは決まった。支持母体の創価学会から突き上げられた公明党の山口代表が、遅れてはならじと安倍にねじ込んだ。与党が「合意した経済対策の中身や予算案の修正を迫るのは極めて異例」(朝日新聞4月17日付)だ。自分も一律現金給付を主張していた岸田政調会長は、麻生太郎と財務省に猛反対されたため、自分の考えを収め、自党内の反対を抑えてきた。それなのに、安倍が急に方針転換したため、面目は丸つぶれ。「これで岸田の(次期首相の)目はなくなった」といわれる始末。

   安倍にリーダーシップがなく、菅も麻生も二階も向いている方向はバラバラ。週刊ポストでビートたけしがいうように、「こんな世界的なピンチを、疑惑だらけの政権に託すしかないんだからさ」である。このままでは、「日本中で首を吊る人間が出てきちまうよ」(たけし)。さらに、「『かつてない規模の』『強大なパッケージ』とかデカいことばかり言っているのが逆に白々しく見えちゃう」「カミさんにも強く言えない人が、ニッポン社会全体に自粛を呼びかけているんだから笑っちゃう。安倍さんは、『緊急事態宣言』の前にまず『家庭内緊急事態宣言』を出すべきだったね」

   新型コロナウイルス感染拡大は不幸な出来事だが、真の不幸は、この国を託すのが安倍や小池百合子都知事のような政治家しかいないことである。私の安倍内閣支持率は-40%。

ハンドルネーム「四谷三丁目」の新型コロナ医療現場の怒り「私らは死んでもしょうがないと思われている」

   医療崩壊が心配されている。ネット上では、医療現場からの悲鳴と無策な政治への怒りがあふれている。「医療の現場から」というブログ(4月9日)が興味深い。四谷三丁目というハンドルネームで、勤めているのは首都圏の「けっこう大きな病院」で、看護師だそうだ。

   医療用のマスクは3日で1枚と制限された。そんな中で「交通事故で搬送されてきた患者のCTを撮ったら、『新型コロナウイルス肺炎像』が写っていた」という。そこに、安倍政権が数百億円かけて全世帯にマスクを2枚配ると報じられた。「四谷三丁目は激怒した。怒りで全身溶けそうだった。(中略)『自分の命が軽視されている』ことにようやく気付いた。(中略)今、この国から、医療職は『死んでもしょうがない』と思われている。そういう扱いを受けている。(中略)HIVだろうと。結核だろうと、どんな感染症も気を引き締めこそすれ怖くはなかった。私はそれを生意気にも『医療従事者としての自負』みたいなもんだと思っていたがどうやら違ったのだ。

   あれは、医学的根拠に基づいた万全の対策がとれ、万が一のことがあれば迅速に処置を受けられるという"安心"があってのものだった」。布マスクを配る政府に、プラスチックガウンや手袋不足に対応できるとは思えないとも書いている。

   命の選別は、医療従事者だけではなく、高齢者にも当然起こっている。世界中の感染現場でそういう事態が起こっていることを前に書いたが、今週ようやく、サンデー毎日で保阪正康が「高齢者切り捨てというファシズム」というテーマで書いている。

   今回の新型コロナウイルス肺炎で、次の2つの黙過できないことが進んでいる。1つは民族差別や弱者への憎悪(へイト的潮流)、2つ目は、高齢者の切り捨てと治療放棄(人間の差異化)。ヨーロッパやアメリカで、アジア人が「コロナ野郎」といわれ暴力を振るわれる理不尽なことが起きている。

   高齢者切り捨てはいうまでもない。保阪は「『楢山節考』(老い先短い老人を山に捨て、老人の生を犠牲にする=筆者注)が現代の光景になるとき、私たちの社会は豊饒さを失い、弱者や痛みを抱えた存在への配慮をなくし、『役立つこと』だけが価値基準の最先端に置かれていくことになるだろう」。 その最もわかりやすいのが、「安倍晋三首相の思考、発言、歴史観である」と指摘している。

   五木寛之は週刊新潮の連載コラムで、<以前、マンガで「老人駆除部隊」の話があったのを思い出した。「嫌老社会を超えて」という本を出したのはその頃である。「嫌老」という見えない世の中の空気に触発されてつけたタイトルだが、あまり話題にはならなかった。(中略)ネットで話題の三コママンガに、高齢者をかついで青息吐息の若者たち、そして次がコロナで一掃される高齢者層、最後が勝ち残った若者たちが万歳しているのがあると聞いた。まさに「嫌老社会」の到来である>

   人生の坂には、上り坂、下り坂に加えて、「まさか」という坂がある。そのまさかが起きた時こそ、自分たち一人一人の生き方、為政者の振る舞いが問われることになる。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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