安倍晋三首相は自宅勤務を原則にして、出勤者を7割減らしてほしいと呼びかけているが、徹底しない理由の一つが「ハンコ文化」だ。司会の小倉智昭は「ハンコを押すだけのために出社する人もいるようです」と取り上げた。
照明が消されひっそりとしたIT企業「アステル」のオフィスで、一人黙々とデスクで作業する男性がいた。平野洋一郎社長だ。「代表印の捺印をしているのです。印鑑というのが大事で、取引先でも8割くらいはオンラインできる形になっていますが、2割くらいは契約書原本が欲しいとおっしゃいます」
空っぽのオフィスで社長だけ黙々とハンコを押し続ける
社員のほとんどは在宅で勤務しているのに、社長はひたすら書類にハンコを押し続け、このためだけに出社しなければならないという。
平野社長は「ハンコのために出社というケースは、(他社でも)結構聞きますね。電子捺印を使っていただきたいんですが...」
その電子捺印、このテレワーク促進、オンライン化で、メーカーに問い合わせが殺到していた。電子印鑑ソフトを開発した「シャチハタ」のシステム開発部・小倉隆幸部長は「3月中の問い合わせは1万3500件でしたが、4月は10日間あまりでもう4万3000件をカウントしています」という。
そもそも、ハンコはどうしても必要なものなのか。何人もの管理職や上司のハンコをもらうために、業務が滞るという指摘は以前からあるのに...。
カズキ