安倍晋三首相の公式インスタグラムに12日(2020年4月)、首相が自宅で過ごす様子を撮影した動画が投稿された。投稿された動画の画面半分には歌手の星野源が「うちで踊ろう」を弾き語る映像があった。これは今月3日に星野源が「誰かこの動画に楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」と呼び掛けて話題となっている動画で、多くのアーティストがコラボ動画をアップしているもの。
安倍首相は読書したり、飲み物を飲んだり、犬を抱き上げたりする姿を公開している。そのうえで、「皆さんのこうした行動によって多くの命が確実に救われています」など外出自粛を呼び掛けたものだった。
近藤春菜「補償について発信して国民を安心させてほしい」
この首相の動画は公開から半日で8万回ほどリツイートされたが、その大半は批判的なものだった。
元プロテニスプレイヤーの杉山愛は「少し優雅すぎるという批判が多かったようですね。発信の仕方は他にもあるわけで、星野源さんとコラボするのであれば、こういう形ではなく、ダンスとかをしてしまえばよかったのかも」とコメント。俳優の小澤征悦は「源ちゃんが善意で始めたことに、芸能界の人たちは乗っかってやっている。しかし、首相はこれを利用しているのかなという気がしてしまう。やるのは自由ですが、僕にはクエスチョンマークが残ります」と話した。
自身も星野源の動画とコラボしたハリセンボンの近藤春菜は「星野さんは役者・歌手の立場で何ができるか、その役目を考えたうえでこうして発信している。受け取った側も、自分はどういうことができるか考えて発信している。私の芸人という立場で笑ってもらいながらメッセージになるように考えた。しかし、首相は一国のトップという立場にいるわけで、その役目を考えたらこの発信の仕方は違うと思う。補償などについて発信して国民を安心させてほしい」と訴えた。
読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「メッセージの意図はわかります。でも総理大臣ですから、仁王立ちして現状に立ち向かう姿を見せるべきです」と指摘した。
司会の加藤浩次が「首相の周り、官邸がずれているのではないかと思う。バカにされている気がする」と怒ると、橋本は「国民の寄り添うみたいな気持ちなのでしょうが、この局面では違います。もっと厳しい姿勢でやるべきです。浅いなぁという気がしますね」と切り捨てた。