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新型ウイルス騒動のその先を予言「権力者は一切をなかったことにして、闇夜が始まる」

   きのう9日(2020年4月)の夕方、新宿と神保町の書店をのぞいてみた。紀伊国屋本店は閑散としていて6時には閉店した。神保町の三省堂本店は休業、東京堂も6時には閉店した。仕方ないので、「ランチョン」でビールのハーフ&ハーフを飲みながらオムレツを食べた。

   2階から見る神保町の街は元日の朝のようだった。それでなくても売り上げ減に苦しんでいる出版界は、コロナ自粛で息の根を止められるのではないか。すべてをロックダウンしたい小池都知事と、経済への影響を少しでも減らしたい安倍首相とで、ぎりぎりの攻防があり、折衷案で妥協したようだ。小池を全面的に支持するわけではないが、やるなら小出しではなく、一気に短期間で決着をつけるべきだろう。

   最後に、イタリアを代表する小説家で物理学博士でもあるパオロ・ジョルダーノが、母国のコロナ感染の混乱のさなかで何を考えたのかを綴った「コロナの時代の僕ら」(早川書房)から一節を引用してみたい。

   <支配階級は肩を叩きあって、互いの見事な対応ぶり、真面目な働きぶり、犠牲的行動を褒め讃えるだろう。自分が批判の的になりそうな危機が訪れると、権力者という輩(やから)はにわかに団結し、チームワークに目覚めるものだ。一方、僕らはきっとぼんやりしてしまって、とにかく一切をなかったことにしたがるに違いない。到来するのは闇夜のようでもあり、また忘却の始まりでもある>

   以前書いたが、中国人作家・閻連科(イエン・リエンコー)も、 中国で新型コロナウイルス感染拡大を警告し、自らも感染して死んだ李文亮眼科医のことを、「李のような『警笛を吹く人』にはなれないのなら、われわれは笛を聞き取れる人になろう」と語った。「本当のことをいえば、処分を受け、事実は隠蔽され、記録は改ざんされ、やがて人々の記憶から忘れられていく」「われわれが身を置く歴史と現実の中で、個人でも家庭でも、社会、時代、国家でも悲しい災難はなぜ次から次へと続くのでしょうか。(中略)人として――幾千万もの庶民あるいは虫けらとして――われわれには記憶力がなさすぎるのです」

   日本人も、現在のこの国の惨状を記憶し、その記憶を後世に伝えなくてはいけない。為政者たちが何をし、何をしなかったのかを。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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