父・関内安隆(光石研)が事故で急死し、経営していた馬具店は事業継続のピンチにおいこまれた。陸軍との契約を打ち切られ、職人たちは逃げてしまった。職人頭の岩城新平(吉原光夫)まで辞めてしまったのだ。
関内音(清水香帆)は姉妹と話し合った。母の光子(薬師丸ひろ子)は明るく振舞っているが、大丈夫なはずがない。「絶対、逃げた職人たちを見返してやる」と、音はこの危機を乗り越えることを心に決めていた。
その時、姉の吟(本間叶愛)がある提案をする。亡くなった父と軍と交わした契約書を探そうというのだ。光子は大量の書類の中から契約書を見つけ出し、馬具店を守ることができた。
「お父さん、あたし絶対に歌手になる」
そうして学芸会当日。音は、クラスの演目『竹取物語』でかぐや姫役が決まっていた神崎良子(田中里念)から、「あたしが帝やるから、音ちゃん、かぐや姫やってくれん?」と頼まれる。親戚中を呼び、自分を見せ物のように扱う母親への当てつけだと言うのだ。
急な変更であったが、音の演じるかぐや姫は好評だった。ただ一人、良子の母親は腹を立てた様子だったが...。劇の最後、音はかぐや姫として歌を歌った。歌っているうちに父との思い出がよみがえってきた。聞き終わって、観客からは盛大な拍手が沸き起こった。
その夜、子ども部屋から月を眺めていた音は、オペラ歌手の双浦環(柴咲コウ)からもらったレコードを手に取った。そして決意した。「お父さん、あたし絶対に歌手になるから見守っててね」
(NHK総合あさ8時)