「新型コロナウイルス緊急事態宣言」の対象となった7都府県で、休業要請などの内容に違いがあるようだ。東京都は娯楽施設などの具体的な施設を挙げ、広く対象にしようとしているが、6府県は「まずは徹底した外出自粛をし、その効果を見極めた上で」と対象を絞る方向だ。休業要請には補償が伴うが、自治体によって財力が違うからだ。
財政が豊かな東京都の小池百合子知事は、「休業、または営業時間短縮という形でご協力をいただいく中小・零細の事業者などには、いわば『感染拡大防止協力金』のような仕組みの構築を検討している」と話している。
しかし、神奈川県の黒岩祐治知事は「(協力金は)もらう方は休業補償だと思うでしょう。東京都は圧倒的な財政力をもっているから、なんらかの形で実現できるかも知れませんが、それ以外の府県の財政力では絶対にむりです」という。
小池知事のようにはできない財力の決定的な差
ジャーナリストの鈴木哲夫氏「権限は各知事に与えられて、その地域にあったものができるというのは大事だし、法律の立て付けとしても十分です。だけど、隣り合わせの東京都と神奈川県で、店の規制などで食い違ってくると、混乱が生じてしまいます。横の連携はどうなっているのでしょうか」
黒岩知事「生活者の目から見れば、東京と神奈川は一体ですから、全部歩調を合わせようと思ってきました。しかし、東京案は具体的な施設などに休業要請を出すというものでした。それでズレざるを得なかったのです。神奈川県の財政力では、協力金というものを同じように求められたらやっていけません。東京都にはちょっと考え直してもらいたいと申し上げました」と答えた。
鈴木氏「それどれの都府県がバラバラなのはまずいけれど、地域性もありますから、これを調整するのはやはり国だと思います。例えば、地域によって規制が違うことがあったら、国が説明し、一貫したメッセージを出さないと住民が不安になります」と話す。
伊藤利尋アナ「神奈川では補償されない理髪店が、東京では補償されるというのはあり得ない話です」
安倍晋三首相は「休業補償は現実的ではない」と言ったきり、対象自治体に丸投げしているところに問題はないか。