長谷川博己が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は5日(2020年4月)、第12話「十兵衛の嫁」が放送された。生涯側室を持たなかった光秀(長谷川)が最愛の妻・熙子(ひろこ=木村文乃)と結婚する前半のヤマ場だが、主役カップルの座をすっかり織田信長(染谷将太)と帰蝶(川口春奈)夫婦に奪われた形だ。
ネット上では、「染谷信長、今までに見たこともない信長。演技が凄すぎる」「川口帰蝶、凛としてキレイすぎる。貫禄が出てきた」と絶賛の声が圧倒的だ。光秀・熙子夫婦の存在感が薄れ、「このドラマ自慢のパステルカラーのように淡い」と心配する声さえ起こっている。
信秀は帰蝶に「信長はかわいい」と本当に言ったのか?
第12話では、死期を悟った織田信秀(高橋克典)が信長らを集めて織田家の今後を話し合う会議を開く。信秀は、重要拠点の末盛城を有力家臣と共に信長の弟・信勝(木村了)に委ねると発言した。信長は怒り狂い、帰蝶のいる部屋に戻って不満をぶちまけた。
「この城も、家老の佐久間も柴田も、大事なものはすべて弟の信勝に与える。父上は、母上の言いなりじゃ」
これを聞いた、帰蝶は病床の信秀を訪ね、今回の判断の真意を聞き出そうとする。信秀は何事かを帰蝶の耳元にささやく。帰蝶は信長の元に帰り、信秀が語ったという言葉をこう伝えるのだった。 「信長は自分の若いころに瓜二つ。長所も短所も、まるで自分を見ているようでかわいい。尾張を任せる。強くなれ」
それを聞き、泣いていた駄々っ子がお菓子をもらって泣き止むように無邪気に喜ぶ信長。それをニンマリ見つめる帰蝶。ネット上ではこんな声が相次いだ。
「父から言われて何よりうれしい言葉を帰蝶が聞き出してくれた。親から愛されていないと孤独を感じていた信長には、救いの出来事でした。帰蝶には、政略結婚とはいえ、本能的に甘えられると直感しているのだと思います。唯一、信長が本音で話せる存在なのでしょうね」
「戦国ファンとして、今までの信長像は凛々しく、たくましく、強いイメージでしたが、染谷さんの信長はかなりリアルだと思います。若い頃は『うつけ』と言われていたわけで、今の段階から強くて男っぽい切れ者だったら、そっちの方が史実と異なる。若き織田信長としてはこっちが正解な気がする」