新型コロナウイルスについて、近江友里恵キャスターが「東京都でも感染者がどんどん増えていく中で、緊急事態宣言という言葉が日々聞かれています」と切り出した。
そもそも緊急事態宣言とはどんなものなのか。「新型コロナ対策特別措置法」に基づいて政府が出す宣言で、一定の区域、期限を絞って出される。宣言が出た都道府県の知事には様々な権限が与えられるが、海外のように、罰則をともなう外出禁止や移動を制限する「ロックダウン」(都市封鎖)はできない。
堀家春野(ほりけ・はるの)NHK解説委員「日本の場合、特別措置法に書いてあるのは、緊急事態宣言が出ると都道府県知事は外出の自粛を要請できるということです。海外とは違って外出自粛はあくまでも要請で、守らなくても罰則はないんです」
これまでに出された自粛要請とほとんど変わらないと考えられるが、「これまでは法律に基づかないお願いでしたが、仮に緊急事態宣言が出ると、法律に基づく要請になるので、一段危機意識が上がります。より強力に要請されると受け止められると思います」(堀家さん)
森田洋平アナ「私たちの意識や行動がより問われることになると言えそうです」
指示に従わなくても罰則はないが、事業者の名前が公表される場合も
緊急事態宣言が出された地域はどんな影響が出るのか。まず、百貨店や劇場、ホテル、図書館、ナイトクラブ、理髪店など、「多数の者が利用する施設」について、知事が使用制限・停止を要請・指示できる。事業者が要請に従わないと知事は指示を出せるが、その際事業者の名前が公表されるため事実上の強制力があるといえる。
スーパーマーケットについては、食品・医薬品・衛生用品・燃料など生活必需品の売場は営業を続けられる。
堀家さん「過度な買い占めは必要ありません。運送業者は指定公共機関になっていて、必要な物資が届くようになっています」
土地・建物については、臨時の医療施設を作るために必要な場合、知事は所有者の同意なしに使用できると規定されている。
堀家さん「都市部の医療現場でベッドが足りないと聞いたことがあると思います。軽症者はホテルや自宅で療養する方針が示されていますが、さらにベッドが足りなくなることを想定してこの規定が設けられています。所有者の同意を得ることが大前提ですが、所有者がわからない土地も使えるようになるということです」