「早く緊急事態宣言を」日本医師会が異例の訴え 東京は2週間前のニューヨークとまったく同じだ

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   日本医師会は30日(2020年3月)に会見を開き、「緊急事態宣言を早く出すべき」だと訴えた。会見で釜萢敏(かまやち ・さとし)常任理事は「爆発的な感染の拡大が起きてから緊急事態宣言を出しても手遅れだ。東京だけでなく、周辺の地域にも危機的な状況が近いという認識です」と警鐘を鳴らした。

   また、横倉義武会長は「今日から明後日までに感染者数が3桁に近づけば、医療崩壊につながってくる。国民のみなさまがしっかりと外出自粛をして、3つの『密』、すなわち『密集』『密着』『密接』を避けるという基本を守ってほしい」と語った。

   一方、ネット上では「4月1日の晩に安倍晋三首相が緊急会見を行い、翌2日からロックダウン(都市封鎖)をするという発表をする」という情報が飛び交った。この噂に対し、菅義偉官房長官は31日の会見で「そうした事実はありません。明確に否定します」と完全否定し、冷静に対応するように求めた。

政府にとって緊急事態宣言は伝家の宝刀だが、その切れ味は?

   東京の感染者数は30日時点で443人。これは、ニューヨークのおよそ2週間前の感染者数(464人)とほぼ同じだ。そのニューヨークでは30日時点で3万3474人にまで膨れ上がった。つまり、東京もニューヨークと同様、爆発的に感染者が増加する危険性が潜んでいるのだ。

   昭和大学医学部の二木芳人特任教授は「私も釜萢先生と同じ考えです。ただ、緊急事態宣言をして何をするかがポイント。ただ単に強めの要請をしてもあまり変わらない」と話す。外出自粛については、宣言が出たとしても今と同じ「要請」にとどまり強制力はないからだ。

   政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「政府にとって緊急事態宣言は伝家の宝刀。日本医師会の発言はほとんど影響を与えないだろう」と話している。

   三浦瑠麗(国際政治学者)「街のクリニックを守りたいと言うならほかの方策を通じてやらないといけません。都市封鎖という言葉が独り歩きをすると買い占めが起きますが、それに対する有効な手段は社会主義的統制ではなく、流通を倍に増やすこと。物資を棚に積み上げることです」

   司会の小倉智昭「国民が緊張感を持つと言う意味ではこの宣言は重要なのかもしれない。でも効力はやってみないと分かりませんね」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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