NHK連続テレビ小説「スカーレット」は28日(2020年3月)に最終回を迎え、完結した。主人公・川原喜美子(戸田恵梨香)の息子で白血病と闘ってきた武志(伊藤健太郎)が26歳の誕生日を前に旅立つ結末だった。
しかし、武志の死を中條誠子アナウンサーの「武志は26歳の誕生日を前にして旅立ちました。武志は作品を残しました。武志の作品は生きています...」の語りで済ませる「ナレ死」には、インターネット上には「喜美子との別れをきちんと描いてほしかった!」「ガッカリした!」「コロナウイルスに気を使ったのか!」と怒りの声が殺到している。
「母の死も病気の友の死もすべてナレ死。安直すぎる脚本」
こんな声が相次いでいる。
「ラストに武志と貴美子がきちんとお別れして前向きに生きる姿で思い切り泣きたかったなあ」
「ナレ死って、もしかして、コロナの影響で撮影できなかったから、簡単に終わらせたんじゃ?母親の死のナレすっ飛ばし、父親の時も似たようなもの。同じ病室の病友の死もナレすっ飛ばし。要は人の最期をまともに表現できない脚本家と現場だったってことでしょ」
「後半はもう真剣に見ていませんでした。冨田靖子さんが亡くなったあたりで、喜美子が独りポツンと座って食事をする場面が多くなり、ナレーションでも孤独を表現していた。最終回の今日も同じく独りで食事をしていた。要するに この番組は、主人公の気の強さから旦那を捨て、息子のドナー探しより自分のやりたいことにお金と時間を注いだ結果、一人寂しい結末になりましたよ、という話だったのでしょうか」
ドラマとして最後の盛り上がりにかけたという声も。
「お母ちゃんが生かしたる!何の根拠もなく大見え切った喜美子。これは武志の臨終のシーンMUSTでしょ!それがあっという間に2年経って武志の作品見ながらせいせいとした顔...。信じられない」
「喜美子『ギューとしたろか』。抱きつく。親子で抱擁。武志『幸せや』...ナレーション『武志は26歳の誕生日を前に死にました』。こんな脚本ならば誰でも書けるし、ナレーションのみのすっ飛ばしならば、小学生の演劇部でも実演できる」
「大崎先生が亡くなる3日前の武志との握手の話をしたとき、喜美子はなんかニヤニヤして先生の様子見て、今にも吹き出しそうな顔していた。演技が違う。抑えていた涙を出してほしかった。武志のぎゅーに幸せやでえ!の台詞も違う。お母ちゃんも痩せて小さなったな、ごめんな、大丈夫か、的な思いやる言葉がほしかった。普通に泣かせてほしかった」
「まったく同感です。元夫婦のくだらないグダグダした会話を、飽き飽きしながら延々と見せられたあげく、一番いい子だった武志の死を、最後に見せられる。『おしん』でも夫の自死、長男の餓死...主人公の身に次々不幸がふりかかるが、それまでの丁寧な描きかたで、視聴者はショックを受け、涙しながらも何か納得できたように思う。スカーレットはどうだろうか」
「大切なところで、ドラマが重苦しくならないように逃げてしまうので、何も得られない。キャラクターに重みがない。結局は時間の無駄を感じたドラマでした。韓流ドラマの方が情の描き方がうまいですね」