「財務省文書改ざん」自殺した赤木さんのファイル握りつぶした検事はトントン出世
先週、週刊文春が掲載した相澤冬樹・大阪日日記者の大スクープ「赤木俊夫元財務省近畿財務局上席国有財産管理官の遺書」の第2弾である。国と佐川宣寿元理財局長を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こした赤木の妻・昌子が、夫の一周忌直後、訪ねてきた元上司の池田靖・統括国有財産管理官(当時)から聞いた「告白」を掲載している。
相澤記者によれば、池田は昌子に2時間にわたって話してくれたという。森友学園に、地中に埋まっているゴミ撤去費用約8億2000万円を引いて、約1億3400万円という安い値段で売り渡しているのだが、池田はこれについて、「この八億円の算出に問題があるわけなんです。確実に撤去する費用が八億になるという確信というか、確証が取れてないんです」
売却した当事者が、「八億円という値引きの根拠が薄弱だと"自白"した瞬間」(相澤)だった。その上、「僕、聞いてるんです。向こう(森友学園側)に。『いくらやったら出せんねん』と」。池田は、普通の売り払いのときは相手に聞くといっているが、近畿財務局と取り引きをした経験のある弁護士は、「聞くわけない。森友だけ特別扱いをした」といっている。
さらに池田は、赤木が改ざんに抵抗したこと、文書の修正、改ざんについてのファイルをきちんと作り、検察がガサ入れに来た時、池田に「これも出していいですか?」と聞いてきたと話している。池田は「全部出してください」といった。ファイルが検察の手に渡っていたのに、当時の山本真千子特捜部長は「有印公文書変造にはあたらない」と、財務省の関係者ら36人全員を不起訴にしたのだ。
相澤記者によれば、その山本は、その後、函館地検検事正に栄転し、さらに翌年の2019年、大阪地検ナンバー2の次席検事として戻ってきたという。 だが、相澤は、現場の検事たちは何とかこれを事件にできないかと、ギリギリまで詰めを行っていた。終始一貫、事件を不起訴にする方向で圧力を加えていたと囁かれていたのは、東京の法務省と最高検だったそうである。
当時の法務省トップが、安倍首相が無理やり法解釈を変えてまで定年を伸ばし、検事総長にしようと企んでいる黒川弘務事務次官だった。当時の理財局長だった太田充は、「明らかに国会で虚偽答弁」(赤木の手記)をした論功なのだろう、現在は財務省主計局長で、次の次官就任は確実だといわれている。
点と点が線で結ばれた。森友学園事件の本筋を隠し、籠池夫妻を"国策捜査"で逮捕、有罪にして、安倍首相夫妻が関与していた一切の証拠を消し、文書を改ざんしたのは、財務省と法務省にいる安倍ポチ連合の巨悪たちが仕組んだことに違いないのではないか。
これだけの状況証拠が揃っているのに、安倍や麻生は再調査に応じない。この国は、やはり、頭から腐っていっているとしか思えない。